さすがにこれはしばらくネタバレ表示しないと怒られるかな……。
超上質なSFヒューマンドラマ。傑作。主人公可愛かったら☆4.5付けちゃってたな。
一見トンデモ超常現象なのに、どこか淡々と話が進み、リアリティがあって惹き込まれた。きっと多くの人が「思ってたのと違った！」ってなるんじゃないかな。宇宙戦争系のハリウッド的お決まり展開がほとんどない、あっても地味。
特筆すべきはその構成。「未来が見えるようになる」（武器を与える）という最大のオチを、あたかも過去の回想のように演出し、実は最初から見せていたっていうね。
冒頭の（偽）回想シーンはちょっとズルかったような、騙す気満々だったような、そう思うしかないようなナレーションが入っていたような気がするけど、途中からは気付けても良かったかもしれない。回想シーンにしては音がハッキリし過ぎだし、明らかに現実に影響してたし、その辺りの演出が巧妙。やられた感。
後は彼らから与えられる"武器"そのものの設定。これが新しい（気がする）し、素晴らしい。
人間は左から右もしくは上から下に言語の流れがあり、その言語を通じて世界を認識している。だから時間の一方的な流れが存在する、と認識している。
しかし彼らの言語は円環状の表義文字で、それ自体に始点や終点がないため、認識する世界にも時間の一方的な流れがない。過去・現在・未来を同時に認識できる。
言語程度がそんな重要な訳ないだろ喋ってみろよコラ！とか思っちゃうけど、こんな素晴らしい演出見せられたら素直に納得しちゃうわ。爆発寸前に一気にブワーッて殴り書き（？）するシーンたまらんわ大好き。
ということで、もう1度じっくり見たいなと思わせる、静的で深い感動がある映画でした。良い夢見れそう。
