SFサスペンスのようでいて、人類いや宇宙普遍の「愛」についての物語。
冒頭「これはあなたの物語」というモノローグから始まるが、これは観客に向けたメッセージでもある。
これ以上は言えねー！
とはいえ、本作は未知の言語を解読するプロセス自体にも見応えがある。身振り手振りで懸命にアプローチする人類と、それをひたすら無言で観察する宇宙人のシュールさも笑える。
また、映画用に「ヘプタポッド語」なる架空の言語を創作してしまったというから凄い。時制がない＝円で表されるデザインも作品テーマを反映させている。漢字のタトゥー入れてる外人さんに好かれることうけあいである。
本作の重要キーワードは劇中でも言及された「サピア＝ウォーフ仮説」。人間の思考は言語の影響を受けるというもの。例えば日本人が自己主張できないのは日本語が結論を後回しにするSOVだからと言われる。
この仮説が正しければ、宇宙人の言語を学んだ人間の思考はどうなるのだろうか？
「趣味は誘拐です」っていう人が増えるかもね。
サピア＝ウォーフ仮説をいち早く取り入れた作品が『メタルギアソリッドV』。小島監督マジスゲー。
