星ワタル

リメンバー・ミーの星ワタルのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
4.8
「トイストーリー3」で"もの(おもちゃ)との別れ"を描いたリー・アンクリッチ監督が、今回は"人との別れ"を描く。
根底に息づくテーマは同じ"忘れない限り、思い出は死なない"

メキシコの家族を大切にする精神(それによって生き方が制限されること)や、お盆に似ている"死者の日"は、日本人なら自然に受け入れられる設定だろう。

新作を出すたびにCGアニメの映像技術の進歩には驚かされるけど、今回も死者の国の美しさや描写の緻密さ、そして老人のシワや肌の質感にびっくりした。

「アナ雪」で一躍時の人となった作詞作曲コンビ(夫婦)とマイケル・ジアッキーノが紡ぐ音楽も、しっかりメキシコの雰囲気を感じた(行ったことないけど)

なにより、脚本がとても練られていた。「家族を大切に」「自分のやりたいことをやる」のどちらも否定しない。両者を対立させず、大切にするからこそ好きなことができる。という方向性は新しい。
そして、今回も二転三転する物語に引き込まれた。

原題が「COCO」なのも、邦題が「リメンバー・ミー」なのも納得。

ピクサー久しぶりのオリジナル作品、そして久しぶりの人間の男の子が主人公の作品。数々の受賞やヒットも納得の素晴らしい作品だった。
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