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リメンバー・ミーのemilyのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
3.9
 悲しい過去が原因で一族では音楽禁止という掟が定めらいるが、音楽好きなミゲルは隠れてギターを弾いている。「死者の日」の音楽のコンテストに出場しようとしたが、ギターを壊され、伝説のミュージシャンデラクルスの霊廟に飾られていたギターを借りようとするが、死者の物を盗んだとして、「死者の国」に迷いこんでしまう。そこでは祭壇に飾られてた写真の親族や、ヘクターに出会い元の世界へ戻るため方法を探すが・・・

 全編メキシコカラー。カラフルで壮大で、それでいてガイコツたちのユニークな動きが物語にスパイスを与え、音楽が陽気に寄り添い、マリアッチなどの伝統音楽が丸ごとメキシコ感を作り上げていく。特に「死者の国」に行ってからの壮大さと、カラフルな色使いに目を奪われる。そこにミゲルが奏でる音楽。心情に寄り添う歌詞と、周りをしっかり巻き込んでいくライブ感に胸が躍る。子供にもしっかり分かるメッセージ性でありながら、大人も楽しめ、シンプルながらも深いメッセージを残してくれる。

 メキシコならではの深い家族愛、「dia de los muertos」日本にもお盆がありますが、亡くなった人は私たちの心の中で生き続ける。しかし家族から家族へ思い出を伝えていく必要があるのです。それがまた家族のコミュニケーションとなり、家族が仲良く暮らしていくきっかけにもなるかもしれません。死者の事を忘れないで居ることが一番の供養であり、私たちはその人たちの事を語り継いでいく義務がある事も改めて考えさせられます。年老いてすべて忘れてしまったとしても、昔の記憶ほど残りやすい物です。歌が記憶を呼び覚まし、歌が家族を一体化させる。改めて歌のパワーと家族愛のパワーを感じさせ、身近にいる人をそして先祖の思い出を大切に生きていこうと思わせてくれる作品。
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