しゅんすけ

ぼくのエリ 200歳の少女のしゅんすけのレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
5.0
「ぼくのエリ 200歳の少女」

【良かった点】
・スウェーデンの寒々とした雰囲気
・青や赤など色使いが強烈
・吸血鬼版「ロミオ&ジュリエット」
・エンディングの残酷だけどかっこいいシーン

大好きな大好きな1作です。

話は、いじめられっ子の隣に引っ越してきた謎の少女との初恋と、暮らす街で起こる残虐な連続殺人事件の真相を追うという話で、少女が実は人間ならざるもの、吸血鬼ではないかということが明らかになっていくという話です。

2010年に日本公開されましたが(製作は2008年)とにかくその時は邦題がもう批判されました。原題は Let the right one in (正しき者を招き入れよ) 相手の了承を得ないと家の中には入らない吸血鬼の習性を現した言葉とのこと。確かに、少年の家に入るときに1回1回確認吸血鬼の少女は確認をするんです。逆に、確認もせずに勝手に相手の敷地に踏み入る人はどんな目に遭うかというのも示されています。

とにかく映像が美しく、ホラー映画が苦手でも美しさに見とれました。雪景色の中、血の赤が映えるし、少年がはいている青の短パンとか原色が写ると、そこに目がいって、画面全体がすごく引き締まって見える気がしました。

ハリウッドでも「モールス」として「クローバーフィールド」や「猿の惑星:聖戦記」のマッド・リーヴス監督によってリメイクされています。(こちらも面白いです!)ハリウッド版は残酷表現に特化した感じで、個人的には美しさに特化した本作のほうが好きです。

ラストはハッピーエンドにもバッドエンドにもとれる終わり方ですが、もやもやとした感じは残らず、素直に「いい映画を観た」と思える作品だと思います。ぜひホラー映画苦手な方でも、たくさんの方に見てほしい一作です。