Ryoma

フランス組曲のRyomaのレビュー・感想・評価

フランス組曲(2015年製作の映画)
4.7
1940年第二次世界大戦中ドイツのアウシュビッツにて散った作家の命をかけて綴った物語の映画化。
フランス人女性と惹かれあったドイツ軍兵士が、兵士としての責務と愛する人の間で揺れ動くさま、また国は違えど同じ人間として敵国の人々を殺したくないという心の葛藤がピアノの美しい旋律とともに丁寧に描かれていた◎
この時代・状況でなければ出会わなかった2人だけれども、逆に違う時代・状況で出会っていれば結ばれていたんだと思うとなんともやるせない気持ちになったのと同時に、これが世の末・運命で割り切れるほどに2人の愛する気持ちは脆くか細いものじゃなく、それらでは断ち切れないほどに強く尊く感じた。
人間としての本質に触れていた点で『アメリカンスナイパー』と類似するところもあった気がする。

個人的に最近『ヴェノム』のイメージが強めだったミシェル・ウィリアムズだけど、本作のような美しく聡明な役の方が彼女に合っているなあと改めて感じた。
Ryoma

Ryoma