家族という理想、あるいは病
三浦友和のいかにも悪そうな親父もたまらなくはまっているが、南果歩の夢に出てきそうな具合の悪そうな顔はインパクト大。
監督の前作「その夜の侍」は個人的に何が面白いのかさっぱりだったが、今作のテーマは非常に明快だし、不快指数もここまで振り切れば逆に心地よい。
日本の凶悪犯罪をいくつもリサーチして作り上げたという作品には、これでもかと言わんばかりのに凄まじい負の感情がほどしばしっている。
とはいえ、個々の要素は分解していくと、我々が「普通」とよんでいるものとさほど差異があるとも思えない。
日常の延長には「誰にも起こりうる」極めて非日常的な光景があると「葛城事件」は提示する。
怖いなぁ。