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葛城事件のRYOBEERのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
4.0
行動原理はある。そしてそれなりに筋は通っている(ように感じる)。
だから、誰が見ても「この人絶対頭おかしいでしょ」というような一見して看過できる狂気は感じられない。
ただ、この人とずっと一緒にいたら、確実に自分の中にある何かが狂っていきそうな…
そんな人って、いる。

そしてそんな人が親なら…成長過程で子供の人格形成に何らかの影響を及ぼす可能性は想像できる。殺人犯まではいかないでも。

日常を、こんな真綿で首を絞められるような空間で暮らさないといけないこの家族は、もう映画が始まるずっと前から破滅に向かっていたのだろう。となると、今度は清がどんな環境で育ったのかが気になってくる…。おそらく突出しておかしいTHE・狂気みたいな人はいないはず。

保と清の金物屋のシーンとか、昔の家族のシーンとか、切なかったー…


面白かったけど、映画館で観なくて良かったー。
「面白かったが、胸糞悪くなった!なんで1800円払ってこんな嫌な気持ちにならないといけないんだ!え?面白かったんでしょ?そういう問題じゃあないんだよ。きーぶーんーが悪いんだよ!えぇ?金を返せ!!」って、清なら言いそう。
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