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ゴジラvsコングのHrtのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
3.6
ゴジラとキングコングじゃサイズ合わなくない?と思ったのが4年前くらい。
別に合わせりゃいいだけのことだった。
ただコングはまだしもゴジラに先祖がいるというトンデモファミリーツリーから始まりゴジラとコングライバル説、地球空洞説が出てきた時はマジで何言ってるか分からずしばらく置いてけぼりをくらってしまった。
なんなら<ルーツ>に実際到達するまでそんなもの無いって結論でコングが失望してしまうんじゃないかとばかり思ってた。
本作のコングの大冒険は完全に脚本上の力技かつ粗でそれならそれまでのモンスターバース作品で伏線として張っておけばもっとスムーズに進行できたのにと思ってしまう。
しかしとはいえモンスターバースにそんな緻密さを求めるのも違うのかもしれない。
人間同士のつまらない話もおざなりにゴジラとコングは派手派手なバトルを繰り広げる。
個人的には海上戦のカメラアングルのアイデアがかなり面白かった。
コングをカメラの中心としたあの回転するカット、船上の殴り合いでもうほとんど満足だった。
香港戦のコングがビルにぶら下がるキングコングシグネチャーカットもついにお披露目されゴジラもここぞとばかりに放射熱線を乱発し始める。
一方、香港市街地が破壊されていく様子にはどうしても中国香港間の政治的軋轢を思い出さずにはいられない(製作レジェンダリーは中国コングロマリットの子会社)。
ここが自分が一番引っ掛かってしまうポイントでバトルの豪快さとは別にげんなりしてしまう気持ちもあった。
ゴジラvsコングからのその先のバトルを観ても、結局ハリウッド・ゴジラは3作全てで人間が余計なことをした後の尻拭いをさせられてるだけだ。
悪さをする人間に対ししっかりお灸を据えるコングと違うのはゴジラが悪事撲滅のために無償協力してくれる点だ。
あそこまで人類に対して都合のいい神ができ上がるのもキリスト教圏の理想なのだろうかと思ったりする。
監督アダム・ウィンガードのフィルモグラフィがかなりアレなので心配していたが、凝った演出もなくストレートに楽しめる作品だったし、数々のクロスオーバー(ユニバース化)が頓挫していく中でやり切ったモンスターバースは成功と言っていいだろう。
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