セトヤマ

酔生夢死のセトヤマのレビュー・感想・評価

酔生夢死(2015年製作の映画)
3.5
フィルメックスにて鑑賞。
台湾の街並みを感じる、そこがまず好印象。

時間軸も登場人物もちと分かりにくいし、いかに映像から嗅ぎ取るか中々小難しい映画だ。

3人の男性が軸となっていて、ゲイの男とその弟とその兄貴分、この3軸が絡み合って進んでいく。

そしてこの弟であるけど、これがタナトスでありこの物語において死の象徴なのかなとか考える。
彼はずっと孤独だなと、そしてその孤独から抜け出そうとしてるけど上手くいかない。
足掻いても足掻いても一層闇が深くなっていく。
そして夢か現実かわからない世界へ紛れ込んでいく。
僕には全く希望が見出せない終わりでした。

最後まで観て思いました、これはもしかしてアル中のお母さんが主役だったのではないかと。

母親の不在、故に心の空白がありそれを何で埋めるか、求めるものは3人とも違うけれども、母親を鍵として彼等を見つめないといけないのかなと。

無気力感というか、厭世観というか、希望なき世界を生きる台湾の若者といった感じの映画。
酔っ払って生きたほうが幸せになれるのではないか、心の闇を見つめたような映画だと感じました。