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マジカル・ガールのShinMakitaのレビュー・感想・評価

マジカル・ガール(2014年製作の映画)
3.3
スペイン…

…元国語教師で現在失業中の中年男ルイスは、12歳の娘アリシアと二人暮らし。だがアリシアは白血病で余命僅かと宣告されていた。ある時、アリシアの日記をふと読んでしまったルイスは、娘が日本製アニメ「魔法少女ユキコ」の大ファンで、そのユキコが身につけている衣装を着たがっていることを知る。ネットで調べると、有名デザイナーが実際にその衣装を仕立て販売していることがわかった。価格はなんと7000ユーロ。失業中の身でとても買えるものではない。だが、13歳を迎えられない娘に何とかユキコのコスプレをさせてあげたいと願ったルイスは、ある夜、宝石店の前に立ち、ショーウインドウを破って窃盗を働く決意をする。




…はい、有楽町で観てきました。話題のスペイン映画『マジカル・ガール』。淡々として劇伴もなく、カメラの動きも愚鈍で、最初はかなり「退屈」な感じ。余命僅かな娘を抱え、八方塞がりな父のドラマで、予定調和な話かと思いきや…

以下、あらすじの続き。未見の方は、➖➖➖➖➖の下まで飛ばしてください。



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…精神を病んでいる女バルバラは、高級マンションの一室で夫の庇護下にあった。精神科医の夫の言いつけを守って薬を飲み続ける彼女だったが、ある夜、過剰摂取により吐き気を催し、ベランダから階下に嘔吐してしまう。


…初老の男、ダミアンが刑務所を出所した。元数学教師の彼が、なぜ道を踏み外したのか。小さなアパートで、ジグソーパズルを作りながらひっそりと暮らすダミアンだったが、ある日、自分を犯罪者へと導いた「マジカルガール」が現れ、またも運命を狂わされる羽目になる。


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いやー、何と形容すべきなのか。「退屈」な画面構成やカットの積み重ねの中に様々な伏線を張り巡らせて、全く気が抜けませんでした。ハネケ的というか、笑いのないコーエン兄弟作品というか。何度も繰り返し使うけど「退屈」なカット割りの「ブラッドシンプル」みたいな雰囲気。宝石店の前でルイスが拾ったパズルのピースなど、見逃してる人多くないかな?ぜひ、もう一回観たいですね。
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