rage30

シティ・オブ・ゴッドのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

GYAO!にて再見。

久しぶりに見たんですが、メチャクチャ面白かったです。

まずは何と言っても、少年…というか子供が拳銃を振り回す世界観には、改めて度肝を抜かされました。
バイオレントな映画は数あれど、子供が拳銃をブッ放す(orブッ放される)映画は、本作ぐらいではないでしょうか。


ただ、今回見て思ったのが、スラムの抗争という血生臭い題材を扱いながらも、その語り口はとてもポップで、多彩で、ユーモラスである事。

麻薬アパートのフィックスで撮られたシーンや、お気楽な音楽が流れる強盗シーンなどは、オシャレな演出で感心させられましたし、主人公周りのオフビートなエピソードには、ほっこりとさせらました。
それでいて、リトル・ゼが子供を追い込む、トラウマ必至のシーンもあるわけですから、この緩急にどんどん引き込まれていくんでしょうね。

そもそも、物語自体が、青春話→成り上がり話→恋愛話→戦争話へと変化していくわけで、この多様性のある物語こそが、原作の大きな魅力なのかなと。
2時間ずっと暴力の話ばっかでは、流石にキツいですから。


あと、これは個人的な推察なんですが、リトル・ゼは同性愛者で、ベネの事が恋愛対象として好きだったのではないか?と思いました。

同性愛者として周囲に馴染めないからこそ、そのフラストレーションを暴力で発散していたのでは?とか、男らしさを顕示していたのでは?とかね。
そう考えると、彼が最初に殺す事になる人間が、愛し合う男女である事にも、何か示唆的なものを感じずにはいられません。
もしかしたら、マネを殺さなかったのも、そこに通じて来るのかな~と思ったり。

リトル・ゼは間違いなくクソ野郎ですが、そんな奴にも掛け替えのない人間がいたのだと思うと、少しだけ胸が締め付けられるのです。
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