次男

パディントン 2の次男のレビュー・感想・評価

パディントン 2(2017年製作の映画)
4.3
「このシリーズ一生続いてくんねかなあ…」って思いながら観てた。ずっとにやにやしながらたびたび涙溜まって、圧倒的多幸感。楽しかったなあ。

◆◆

パディントン自身が魅力的すぎるってことを置いておいても、ストーリーがとてもすごいと思う。めっちゃくちゃ面白い、ではなく、適度に面白い。「ウフフ、そうねそうね」って、すこし上の目線から楽しませてくれる。

そして何がすごいって、隙がない。僕はクレーマーで揚げ足取りクソ野郎だから、やれ「平等じゃない」とか、やれ「でもそいつ悪人じゃん」とか、すごい重箱の隅をつつくのだけど、ちょっとつつくところなかった。
例えば逮捕のシーンとか裁判のシーンとか、ともすればクレームの対象になりかねないところの処理が抜群にうまくて、「ここは童話的にいくので」ってノリでサッとかわしていく。この作品は、前作もだったけど、リアリティのライン取りがうまいんだなあ。

ヒュー・グラントさんの悪役の形もなにげに新しくて、落ちぶれたナルシストの少しサイコさんってすごく楽しい(残念ながら吹替しか上映残っておらず、屋根裏での一人数役のポップサイコシーンを観るためにDVD借りたい)。モチベーションの軽さも罰の下し方も完璧かよと思いました。

飛び出す絵本が宝の地図ってのもとてもいいよねー!チャイルディッシュを厳守しながら理屈として破綻してないし、なによりビジュアルとしてすごく楽しい。1ページに1美女がサインを出してるって設定も素敵。

最後は映画的なクライマックスをきちんと用意してるし、前作同様みんなの小ネタを回収する丁寧さ。エンドロールまで泣かせるしさ、隙なさすぎ。

◆◆

映画として隙がないのは素晴らしいけど、この圧倒的好感度の秘訣は、やっぱり礼節だなと思う。礼儀正しく素直で正直な紳士(を目指す子供)を、どうして嫌えよう!あざとさがないのも正しい。あざとさは下心を、下心は打算を引き起こして、それは紳士とは相反すると思う。

パディントンみたいな人に、なりたいものだなあ。
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