大根監督のサービス全開 ゲスでダーティな傑作エンターテイメント
「バクマン。」の後に「次回作は凄いゲスい作品になる」と語ったように、大根仁監督の「SCOOP！」は確かにゲスな作品ながら、抜群の傑作であった。
原田眞人監督のオリジナル作品を原作として監督が長年温め続けたという気合の入った企画だが、今回は主演に福山雅治を迎えこれまで以上に豪華な仕上がり。
「モテキ」では人気低迷気味だった長澤まさみをエロ演技で開花させ、「バクマン。」では逆だと言われたキャスティングで主役二人の新たな魅力を発掘した監督だが、今作の福山雅治の魅力の引き出し方も素晴らしい。
結婚以降、何かとネガティヴなイメージが付きまとう福山雅治が本作でキャリアを覆すゲスでダーティな立ち回りを披露するまでが一つの流れなのかと勘違いするほどに完璧にはまっている。
「バクマン。」「モテキ」ほど映像面における豪華な味付けはなされていないが、その分、じっくりと音とキャスト、ストーリーで魅せる大人なエンターテイメント。
〈追記〉
予告で見せ場を全部みせる極悪な宣伝が横行するなか、今作の予告編は極めて秀逸。予告編を観て安心して映画館にでかけましょう。
