NEWおっさん

ハドソン川の奇跡のNEWおっさんのレビュー・感想・評価

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)
2.5
「アッサリ寄りの実話ドラマ」

齢86歳にして未だ現役監督のクリント・イーストウッドの次なる作品は2009年1月に起きた飛行機事故による実話ドラマ。ハドソン川に着水の中乗客全155名を見事に救出させたサリーと呼ばれるパイロットによる事件前後に起きた状況を描いている。サリー役はトム・ハンクス。ダヴィンチコードシリーズの印象が強いので、白髪はなんか新鮮だった。

正直に言うと、かなりアッサリと終わったなという印象。95分という短い尺の中、ただ救ったという着地だけでなく、その後のトラウマや着水疑惑、サリーの周りの環境も丁寧に描いていて、隙がない作りは流石と思ったが、振り返って見ると妻との会話での副業どうたらこうたらとか、乗客の何人かの取って付けたようなエピソードはいるのか、と感じた。で結局それらの後日談は特に無かったし。

んで時系列が分かりにくかったのも最初戸惑った。サリーの思い出しって感じで事故再現シーンを挟むんだが、一気に見せるのではなく2回ぐらいに分けて見せる。しかもいきなり挟むので、最初こんな事故がありながらまたすぐフライトするんだ、って思ったよ。もっと言えば、多分サリーの若き日の初飛行運転の描写もちょくちょく挟むんだが、何の説明も無いので最初誰のシーンなのか分からなかったのもある。こういう実話にはヘンなこだわりとかいらないしストレートに時系列通りに描いて欲しかった。

ボーナストラックとして実際のサリー機長による事件語りの映像が20分ぐらいあるんだが、それを見て本編の補完ができると言っても過言では無い。全部とまでは行かないが、何個か本編でも再現して欲しかったよ。

実際に起きたコトとして凄いコトだし、乗客の気持ちからしたら計り知れない感謝はあるだろうが、映画としては普通だった、という感想に落ち着く。