YasujiOshiba

RE:BORNのYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

RE:BORN(2015年製作の映画)
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アマプラにて。FBでみかけた動画が印象的だったので、調子にのって今日の2本目。

FBではいしだ壱成の登場シーンを見たんだよね。おおっと思った。本編でも印象的。でも、いしだ壱成くんはそれだけで終わりなのって感じ。篠田麻里子も同じ。エレベーターと電話ボックスのシーンはもうそれはそれはかっこよかった。あの足の長さを実にうまく活かし、カメラも編集もばっちり。

このふたつのシーンを確認するように見たようなものだけど、全編を通してみると、映画としてのアンバランスが目立つ。なにせダイアローグがゆるゆる。話しすぎ。園子温が妙な影響をあたえちゃたのかな。ともかく台詞がどうにも鼻につく。

斉藤工とかオーバーアクションで良さが生かされていないし、長谷部瞳なんて、なんでキレイなお姉ちゃんがカウンセラーやってんだ、そこはカウセリングルームでもなんでもないだろう、もしかして学芸会のつもりか、ちかツッコミいれたくなるレベルで、いったい、どうしちゃったんだろね。

ところがアクションシーンでは画面がキリリとする。まったく違った映画になってしまう。なんだこのギャップは。不思議な味わいとしかいいようのない作品。

個人的には、少年のような少女キャスパーを演じた坂口茉琴(さかぐち まこと)の存在がよかった。彼女が出てくると画面がひきしまる。最初に見たのは『TOKYO TRIBE』(2014) 。清野菜名のとなりでアクションしてたとき、ほおっ、なかなかやるな、少年と思ったんだけど、女の子だったんだよね。

TAK くんの肩甲骨グリグリ。アクションシーンで何度も繰り返されるあの動きはクセになる。あわせて、彼の足捌き。接近戦で渦巻がいくつもできるような動き。どうやら「ウェーブ」とか呼ばれてるみたいだけど、あれはお見事。真似したくなる。肩こりも取れそうだし。

でも後半になってくると、アクションシーンがダレる。ひとつひとつは悪くない。レベルが高い。悪くはないけどダレる。いくら大塚明夫がいい声で「再洗脳」しようとししてもダメ。最後は疲れてしまって、早回しボタンを押しそうになる。それはたぶん今宵の2本目だったからじゃなくて、思い入れが強すぎて切れなかったアクションシーンに、ちょっと悪酔したせいだと思う。

まあ、キラキラ光るところはたくさんあるけど、あまり人には勧められない映画...かな。アクションやってる人にはよい。映画撮ってるひとにも。アクションシーンが生きるためには、その前後のダイアローグの撮り方が重要だってことがよくわかる。その意味でタラちゃんとかは抜群。彼の会話劇は最高。だから血が飛び散るシーンが生きる。バランスが重要。

ところで主演のタクくんの同じく園子温原案の『レッド・ブレイド』のほうはどうなんだろうね。これから来る『狂武蔵』とか、少し気になる。そのうち機会があれば。
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