龍じん

ジュラシック・ワールド 炎の王国の龍じんのレビュー・感想・評価

3.4
イスラ・ヌブラル島を舞台としたダイナミックな恐竜劇が展開される前半と、閉鎖空間における人間vs恐竜のエイリアン張りのホラー的展開後半は好みの分かれるところかも。私は圧倒的前者。

宣伝で多用されていた主人公と恐竜達の脱出シーンは題名の「ワールド」を 最大限感じさせてくれる劇中最大のクライマックス。肉食草食大中小様々な恐竜達のお互いちょっかいを出しながらの逃走劇は見ていてワクドキが止まらない♪少年時代恐竜図鑑をすり切れる程読み倒した身としては、鬱蒼としたジャングルの中を重量感たっぷりに突進する恐竜達を見れるのはやはり心が躍ります。
ブラキオサウルスが爆炎と粉塵に霞んでゆくシーンは悲しくも美しく「恐竜と人間の共生」という儚き夢に終焉を告げるメッセージをはらんでいる様。

遺伝子工学にて神の領域に手を出した人間への自然界の反乱。ジュラシックシリーズにおける一貫したテーマではあるが、本作においてはその役割を「インドラプトル」という唯一匹の恐竜に担わせ過ぎている気が。モンスター感が強く、科学の力で新種として誕生している点も「恐竜」という定義から外れている様に感じる。
ブルーの知能の高さも明確には説明はされていないものの、主人公オーエンのピンチにタイミング良く登場したり、別離のシーンでは人間に対する親近感を感じずにはいられない。
(結果的に)人間側に立つブルー=味方・殺戮に走るインドラプトル=敵とキャラクター付けされているのは個人的にはあまり好みではないですね。肉食獣が凶暴なのは当然なのに、それをもって「悪」っぽく描かれるのはどうだろう?そういった人間目線を排除した前提で、恐竜達には圧倒的な力を持って人間を蹴散らす自然界の象徴であって欲しかったかな。

ラスト恐竜達が環境に適応していくシーン・ブルーが文明の灯を眼下に臨むシーンには次作恐竜vs人間の大規模な「戦争」が起きそうで怖い。知能が高くなったブルー率いる恐竜軍とか『猿の惑星(シーザー版)』みたいな展開はまさか無いとは思うが、恐竜が喋りだしたりしないだろうな笑
正直ジュラシックシリーズは毎回同じ様な展開だし、動いている恐竜を観に行っている様なものだったのだが、次作の想像が全くつかず期待大ですね。

追記
今回のMVPはなんといってもパキケファロサウルス。ストーリー自体には絡まないものの、彼がいなくては物語が進まない程。彼のキャラクター性は別腹(^^♪
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