前評判が高いのは周知の通りハードルが上がっての鑑賞ではあったのだが、最初アッレー？ってカンジ。このシュールな間(ま)何なん？コレが今時のウケる作品なのかと自分の審美眼に疑問を感じつつ観進めると…
そういうコトですかーーーッ(>ω<)
大胆な発想と緻密なプロット。滞り続けたジグソーパズルのピースが勢い良くはまっていくように、計算し尽くされた伏線が回収されていく様は気持ちいい程。映画を観慣れてる人なら確かにこの作品の流れは途中で気が付くかもしれない。しかしいざ本作品の完成度に至るために何十回と脚本を練り直し試行錯誤し苦労に苦労を重ねて最終地点に辿り着いたであろうことは想像に難くない。
正に映画愛に溢れた一本。
騙されたと思って見てみれ。絶対面白いから。
ここまで手放しで持ち上げてはきましたが、少々辛口意見も。
かつて低予算の『死霊のはらわた』で世界を席捲したサム・ライミの様に上田慎一郎監督がなれるかどうかは全く予想がつかない。
『カメ止め』はいわばトリッキーな作品である。本作と少し同じ匂いの『テイク8』はショートフィルムだし、それ以前の作品も正直あまり良い出来とは思えない。今回の成功をもって、より予算の大きい作品・真っ向からの作品を手掛けた時、大衆を魅了する作品になるかどうかは非常に未知数だ。王道作品・興行収入の大きい作品だけが全てではないことは分かってはいるが、次の作品こそが彼の才能をはかる試金石となる様な気がする。
こんなに面白い作品が作れるのだから、上田監督には『カメ止め』以上の作品を世に送り出して欲しいイヤ作れる筈だという激励を込めて。
