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ダンガル きっと、つよくなるのTSのレビュー・感想・評価

4.0
【世界一を目指す姉妹レスラー】85点
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監督:二テッシュ・ティワリ
製作国:インド
ジャンル:スポーツ
収録時間:140分
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2018年劇場鑑賞35本目。
行きつけの映画館でボリウッドを上映してくれるなんて大変珍しい。この調子でどんどん上映してほしいです。さて今作は実は3ヶ月前に飛行機で鑑賞出来そうでしたが時間がなくて残念。上手いこと公開初日に鑑賞することが出来ました。完全なるスポ根映画。父親のスパルタ具合の中に確かな娘への愛を感じ取られ、怒濤の感動的な展開となっています。ミュージカルはないですがボリウッド独特の音楽は流れます。

レスリング選手のマハヴィルは生きていくためにオリンピックを断念する。彼は自分が成し遂げれなかった夢を息子に託そうとするが、2人とも息子ではなく娘だったのだが。。

本作は実話だそうで、脚色されている部分はあるものの、マハヴィルが2人の娘、ギータとバビータを鍛えていき、インド全国大会や国際大会で輝かしい成績を残したというのは疑いのない事実の模様。そもそもレスリングのルールも知らなかったので、そこから非常に興味深かったです。相撲のような感覚がありましたが、足をとったり対戦相手を投げ飛ばしたりなど、かなりスリリングなスポーツであり同時に危険です。やはり辛くも最初は女性が男性に挑むということは無謀だという描写はありましたが、そんなこと御構い無しに2人が成長していくのが爽快でありました。

そんな彼女たちを鍛えるマハヴィルを演じるのがボリウッド界の怪物アーミル・カーン。彼が主演の映画に最早ハズレはないでしょう。また彼の毎回の肉体改造には本当に脱帽してしまいます。『きっと、うまくいく』では学生を演じるためかなり減量したそうですが、今作ではその逆で、どっぷり腹が出るくらいの巨漢を演じました。彼の役作りのその精神には度肝を抜かれてしまいます。

140分と、ボリウッドの中ではまずまずの長さですがレスリングのシーンも多くて中々飽きません。そして国際大会になるとコーチが新たに登場してギータに指導するため、マハヴィルとギータ、そしてマハヴィルとそのコーチの関係がギクシャクしてくるのも良い。コーチをあからさまに悪役として描いていたためこれは賛否両論でしょうが、誰がメダルを獲る選手を育てたか。という問題も当事者にとってはかなり重要なのでしょう。

レスリングシーンも生半可なものではなくかなり迫力があります。そして、女性のレスラーに焦点をあてたのも今作の素晴らしいところ。男尊女卑をするなという昨今ですが、気づかないところでそういうことをしているものです。スポーツ映画の主人公は何の違和感もなく男性でしょう。という偏見を払拭していってほしいところ。期待しすぎた感はありましたがおおよそ文句はない安定した映画でした。
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