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裸足の季節のniwarieのネタバレレビュー・内容・結末

裸足の季節(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

この時季、初夏に観れて良かった◎5人姉妹の眩しさよ。
原題は"Mustang"、野生の馬=5人姉妹の髪をたてがみに見たてているらしい。

《ヴァージンスーサイズ》っぽくあるのは映像の美しさと彼女たちの眩しさだけで、話の根底には"少年よ大志を抱け"じゃないけど、"少女よ世界は広いぞ"という願いと希望が込められていたように思う。

ヴァージンスーサイズは男目線からの女性性の否定とわからなさ(13歳の女の子の気持ちなんてみんなわからないでしょ!って有名なやつ)を女監督がひねくれながらお洒落さ満載な中、空気重く撮ってるってのが面白メインテーマだと思っていて、こちらの映画では女性の強かさや奔放さをストーリーの設定とはうらはらに肯定してる作品だと思えたので真逆に感じた。

トルコでの宗教観や生活様式の実態を全然理解できていないけれど、少女性から女性=大人になるというのは対外的や性的な要因だけではなく、少女たちの心の問題なんだということ。それは世界共通なんだなということ。その部分を描いているのは女性監督ならではの説得力があった。

序盤に病院に向かうトンネルから、劇中終盤ようやくトンネルを抜け出すまでの話として描かれている感じ。
トンネルを越えた先の景色は霞がかって少し混沌としているけどキラキラもしていて彼女たちのたてがみのようにとても美しかった。
この先に希望があることを信じたい。

余談
エンドロールでピアノとヴィオラのアンサンブルが出てくるけど、ヴィオラな弓は馬毛で出来てる。ニックケイヴバンドな方が音楽担当らしいのでその辺も考えてそう。
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