ひろゆき

ミッション:インポッシブル/フォールアウトのひろゆきのレビュー・感想・評価

4.4
銀幕短評 (#130)

「ミッション : インポッシブル /フォールアウト」
2018年、アメリカ。 2時間27分、公開中。

総合評価 87点。

MIシリーズの6作目。フォールアウトは、放射能の死の灰の意味。

むかしのテレビドラマの連作(「スパイ大作戦」)に着想を得て うまく換骨奪胎した映画シリーズが、よくここまで大がかりになったなあと つくづく思う。受け継いだDNAのいちばん魅力的なものは、もちろん例のテーマ音楽であり、今回もありとあらゆるアレンジを大音量で響き渡らせて満足させてくれる。ときに無音を。

全体としては、覚えのわるいわたしには 追いかけるのが難しいストーリー展開だ。とうとう最後までついて行けずに すっきりしないが、いつものことなので これは仕方がない。

数手先を読んだ作戦が そうそううまく行くかなあと疑わしいところが ままあるが、そういうときこそ膝を打って、なるほどー、と見得を切るのがほんとうのMIツウであろう。

アクションシーンは どれもすばらしい。
いつも繰り出す秘密兵器は今回はほぼ持ち出さずに、ひたすら徒手、銃撃、カーチェイス、空中のシーンが延々延々とつづく。だいじょうぶ、上映時間は長いのだ。このシリーズでは、残虐な場面がないのは良心的である。スリルで思わず アーッと声を上げてしまうシーンが 3度ほどある。

アクションもよくできていると思うが、それを追う(というか前からうまくとらえる)カメラがすばらしい。自分がイーサンになった気がする、半分くらい。

トム・クルーズの演技もとてもいい。クールさは保ちつつも、つい心の動きが顔に出てしまう。年は感じさせるが、よくがんばっている。力一杯の疾走や格闘、ジャンプや よじ登りと。

とりあえず全力で走りながら、つぎの一手の着想をひねり出す彼の行動力は、本作の魅力の真髄である。
ひろゆき

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