NEWおっさん

日本で一番悪い奴らのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)
4.5
「クソな警察の悪事オールスター!」

「凶悪」の白石和彌監督最新作。エラくストレートな題名。まあ一番悪い奴らかと言われるともっと悪い奴らはいるだろうと思うが、驚きなのはこれが実録らしいと言うコト。2002年の北海道警察で起こった日本警察の最大の不祥事、「稲葉事件」を題材に描く。

警察とヤクザが密接に絡んでいるコトを臆面も無く普通に当たり前のコトとして話している警察の面々が凄い。実際そうやって点数稼いでる警察も少なくないんだろうなあ、と思わせる。シャブとチャカどっちが大事とか言ってる場面は論理感ゼロな空気が素晴らしかったな。

とにかく主人公の諸星の人生を楽しめるかどうかにかかっている。気に入らないコトがあれば人や物に当たる直情型。金、薬、女、銃とこの手の作品にあるあるな4種の神器は当然完備。ビッグになっていく様から転落していく様は程度は違えど「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」のディカプリオ演じる主人公のよう。今作の諸星も狂気に満ちた波乱万丈な人生を綾野剛が見事に演じきっている。序盤の村井の助言が無ければ柔道が強い下っ端で終わってたのかもなー。汚いコトに手を染めるまでの前振りが極力短いのもテンポ良くて良し。

最初から最後まで不謹慎な内容、半分ドキュメンタリーでありながらどこかコメディぽくて超面白かった。傑作。ガッツリベッドシーンもありまくるのでお楽しみに。

余談、実際に諸星の元になった稲葉圭昭は刑期を終えて探偵業を営んでる模様。いなば探偵事務所でググると良いかもよ。