yunumata

君の名は。のyunumataのネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

「もし君があの時、あの日の朝の陸前高田市に戻れたとして、君には一体何が出来たのだろう?」なんて、無意味すぎるifだし、とても残酷な問いかけだと思う。この映画の本当にやろうとしていること……に気づかされた瞬間から、クライマックスまで延々と涙が止まらなかった。ジャックされた防災無線が村に鳴り響く度に、「もうやめてくれ!」とすら思った。爽やかで救いに満ちた結末なのに、映画館を出た後、両手に血がべっとり付いてしまったような感覚があった。
それでも、それでも監督はこのラストを選んだのだ。映画の中だけでもいいから、この命たちが生きている(救うことが出来た)ifを選んだのだ。もし自分が作り手ならこの結末にはしないし、この点で批判されることはきっとあると思う。それでも作り手の、そうまでしてこのラストにしようとした想い、そして覚悟のようなものには、とんでもなく胸に迫るものを感じました。熱すぎる。すごい……。変な言い方になるけれど……絶対に味方になりたいと思う。
コメディパートだけでない、隅々まで気の利いたエンタメ的工夫や軽快さはほんとに楽しくて、最後までめちゃめちゃ楽しむことが出来た。田舎でがんじがらめにくすぶっている女の子が、都会のイケメンな男の子を借りて憧れの世界を楽しんだあげく大ピンチに一途に駆け付けてもらえる……なんて、すげえ王道の「王子様モノ」なプロットだ! そういうところがだいすきでした。三葉が中に入ってる時の神木隆之介が心配になるくらい上手くて、萌え転がった。ありがとうございます!!
この映画でギャン泣きしたり、驚かされたり、ちょっと分析したくなった方はぜひ『星を追う子ども』を観て欲しいです。

劇場(2016.08)
yunumata

yunumata