マルメラ

君の名は。のマルメラのネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます


やたらと評判が高いので、全然興味なかったけど観てきました!!

ネタバレ押してあるんで、ネタバレ全開で行きますよー。

この映画が大好きだ!!
今年トップ5には入る!!
やばい!もう一回観に行く!!
という想いの方。
ここでレビューを見るのを止めることをオススメします。
気分を害されても責任は一切負えません笑

で、この映画を観終わった時の印象は「なんか恥ずかしい・・・」。
少女漫画趣味というか、運命の人!!みたいな。。。
これをどっちに評価するかですけど。
個人的には否定的。
過去作では運命の人はいるかもしれないけど、すれ違いやタイミングで上手くいかない。そういった人生の悲哀みたいなものを描いていた。
新海誠監督の良さって映像美とかどうでも良くて、個人的にはその悲哀だと思ってたんですけど。
今回はTHE日本映画的な青春映画の王道というか、「ほれ、中高生女子。泣けよ〜。こういうのが好きなんだろ?運命の人。好きだろ?手に好きだとか書いちゃうのキュンとすんだろ?」って感じ。
本当に新海誠監督、こんな映画が作りたかったの?
川村元気の入れ知恵?
と思ってしまう。

ストーリーに沿って、レビューしていくと。
冒頭のオープニング映像。
要る?
こういうオープニング映像を入れるなら、省略として使うべき。
これはやってたようなやってなかったような。
例えば「魔女の宅急便」。
松任谷由実のルージュの伝言に合わせて、旅をするキキ。
話がちゃんとOPと共に進んでますよね。
そういう使い方をするならまだしも、各ポイントでRADWIMPSのMVが始まるもんだから、少し萎えた。
RADWIMPSは好きですよ!!
でも、それは映画表現ではないし、映画音楽とは言いません。
単なるMV。
そういった意味では、新海誠監督の映画音楽としての音楽の使い方は知識無さすぎというかレベルが低い。

さて、続いて。
入れ替わりましたと。
胸揉んだり、チンコ触ったり。
入れ替わりコメディーとしては、良い感じでした。
相変わらずの心の声を台詞にするのは変わりませんでしたが。
例えば、入れ替わった状態で東京でカフェに行くシーン。
メニューの値段を見て、「パンケーキ一つで一週間生活できるよ」とかって言うんですけど。
この台詞は完全にいらない。
ここのポイントとしては東京の物価の高さに驚く!これがやりたいだけですよね。
だったら、値段が高くてビックリして、「シェアする?」とか聞いてみて、「はぁ?女子かよ」とかってツッコませるとか。
「私コーヒーでいいや」とか言わせておいて、「何?腹減ってないの?」。
「いや、お金がちょっと」
「はぁ?あんなにシフト入れといて金欠かよ」
とか言わせて財布を開くと万札。
自分の金じゃないから、いっか!みたいにギャグにするとかさ。
やり方次第でしょ。
まぁ、夢の中と思い込んでるという言い訳はできるけど、それにしても台詞で何でもかんでも言い過ぎ。
まぁ、細かいところですけどね。

とりあえず、男と女の入れ替わりコメディーとしては楽しめました。

次、デートして。
入れ替わりが終わってしまったと。
電話が通じないという伏線を上手く入れたなとは思う。
そんな中、またMVが挟まる笑
おいおい。監督笑

あの子に会いたいと探しに行くシーン。
えーっと、まず自分の描いた絵を頼りに探すんですけど。
この時点では名前覚えてますよね?
ググれよ!!
名前でググっても良いし。
宮水神社でググっても良いし。
結局、行ってみたら3年前の三葉と入れ替わってましたっていう驚きを演出したかった為に、ご都合主義的に探しに行ったわけでしょ?
ここで少し冷めた。
これだけ、電車の時間やら何やらスマホで検索してたのに、肝心なところはググラない。
ありえないでしょ?笑
良いんですよ!エモーション高める為にやってるんですから!笑
でも、ありえないでしょ?笑

あとですね。
RADWIMPSの曲は放っておいたとしても。音楽の使い方が雑。
新海誠監督はリアルな絵が売りでしょ?
それを売りにするのはアニメーション監督として違うような気もしますが、そこは良いとして。
だったら音楽も極力使わないようにしないと!!
頑張って絵を書きためるシーン。
確かRADWIMPSの曲と共に流れていたと思うんですけど。
例えば、無音で書きためでる中で、リビングからテレビの音が漏れ聞こえているとか。
窓の外から救急車のサイレンとか、電車が通る音とかが薄っすらと聞こえている。
みたいなリアルな音の使い方をすべきだったんじゃないの?
もしくは、電車の音がうるさくて、イヤホンを付けるとRADWIMPSの曲が流れるとかさ!
リアルを売りにしてるくせにリアルじゃないっていうのが残念。

さて、探しに行きましたと。
現実を知る主人公。
街の絵を見ても思い出せない。
そんな中、その街に住んでいた人のみが分かる。
震災を経験した今を生きる私たちには辛い描写でしたし。それが現実ですよね。
東京に住んでて、誰も知りあいがいない街が消え去ろうと、記憶からはどんどん薄れていく。
実際、あれだけテレビで流れた石巻などの元の状態を知りませんし。
今の状況も知らない。
エンターテイメントに社会性を盛り込んできたのは良かった!!

ただ、タイムトラベル要素が入ってきたことによって、矛盾点が生じるのも事実。
例えばテレビを付ければ日付が出るし。
スマホを開けば日付が出る。
当然、3年も経てば技術も変化する。
知らない事柄や事件も出てくる。
それに週に2.3も入れ替わってて気づかないのか?
確かに、そこは肝じゃないと言えば肝ではないんですけど。腑に落ちないんですもん笑

さらに、ここから歴史的な事実の改変物語に突入する。
あっ、やっぱりセカイ系なんだ笑
何故か世界を救うことになった少年と少女。みたいな笑
まぁ、それは良いんですけどね。

ただ、せっかく回想とか無くて、上手く表現してたのに、口から出た酒を飲んで、三葉の過去を描いてしまったのは残念でしかない。
要らないよー!
分かってるから!!
お母さんは亡くなってるんだな。
お父さんとは上手くいってないんだな。
三葉と四葉⁇が神社のイベントに駆り出されてる事と、親父が政治家やってる時点で、親父は子育て放棄してるんだなって分かるじゃないですか!!
エモーションたっぷりに過去を描く意味が無いんですよ!
まぁ、画面から読み取ることができない低知能指数の中高生女子の為なんだろうけど。
映画ファンとしては、また回想かよと萎える。

歴史改変すると、携帯からはメモが消えて、頭の中からは名前が消えて。
でも、周りの人間の脳には何にも変化は無い。
ここら辺の矛盾も萎える。
だったら、周りの人間に名前を教えておけば良かったんでねぇの??
これ以上、矛盾点突いても仕方ないんで、ここら辺で止めときます笑

ポスト宮崎駿というテレビの伝え方について。
全然そういうレベルでは無いですよ笑
特に今作は新海誠の作家性を押し殺して、大衆的(女子中高生に媚びた)作品にしてしまった。
興業的に成功はしたけど。ポスト宮崎駿を目指すのであれば作家性を捨ててはいけなかったはず。
東宝とかからしたら、新しい打ち出の小槌を見つけた感じなんでしょうけど。

あと、所々ジブリっぽいな。
細田守っぽいな。
と思うところがありました。

良いんですけどね。
作画監督は安藤雅司ですし。
ジブリっぽくもなるわな。
特にクレーターの中にある社の前の三途の川的なやつ。
あれ、完全にもののけ姫でしょ?
死神の池的なやつでしょ?

ギャグの入れ方は細田守っぽいし。

小道具の使い方は良かった。
髪留めの紐?組紐でしたっけ?
あれを上手く使っていたなと。

セカイ系を見飽きたアニメファンからは、割と否定的な意見が出そうかなー。

そこまで否定はしませんけど。
ここまで騒がれる程の映画か?
「あんたの書いた糸守の絵。あれは良かった」
あれは良かったですね。
でも、ググれ。

日本的な青春映画にSF設定とセカイ系合わせましたな今作。
賛否分かれるのも無理はないかな。
個人的には賛否の中間。
良かったような悪かったような。
前半部の入れ替わりコメディーは賛。
後半部のタイムトラベル的な部分は否かな。
やりたいことは分かるけど。
あそこに行けば会える!とか何で?って思ってしまうし。
避難が成功した理由もよく分からん。
親父は娘に何を思って、どんな成長を目の当たりにしたの?

映像美はあった。
それは認める。
例えるなら小畑健。
とにかく繊細に実際にある街や物をリアルに絵に落とし込む。
凄いですよ。でも、アニメーションってそこなの?とも思う。
アーロと少年のレビューで書いたけど、リアルな絵を見たい訳では無い。日常で意識してなかった動きや物がアニメーションにすると実物よりもリアルに感じる。
それがアニメーションの良さであると自分は思う。
例えば、炊飯器から出る湯気。
そうそう!こういう湯気出る!!とかさ。
なんか、言葉にするのは難しいんですけど。
そういう事なんじゃないのかな??
映像は確かに綺麗でしたし、そこを楽しんでいたのも事実ですけど。

楽しめたっちゃ楽しめたけど。
前評判が高すぎて、期待外れ感は否めないかな。
自分は日本の青春恋愛映画が苦手なので、スコア低めです。
マルメラ

マルメラ