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KUBO/クボ 二本の弦の秘密のdm10foreverのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
4.1
【お盆】
いや~久しぶりのFilmarksレヴューです。
やっぱり元サッカー小僧のdmとしては、4年に1度のワールドカップはどうしても見逃せず、結果として映画に費やせる時間も削られてしまって・・・。
僕のニックネームで登録している「dm10forever」も「ディエゴマラドーナ、背番号10番は永遠に」という意味でつけたくらい(笑)。ま、マニアックなことを言えば「本当はディエゴ・アルマンド・マラドーナが本名でね、彼にはラウルとウーゴという二人の弟がいて、ウーゴはコンサドーレ札幌でもプレーしてたんだよ。それでね、それでね・・・」ってなるけど、そこまで言うと約80%の人が引くので・・・。

ま、それはさておき・・・。
やっぱり脳が「映画モード」ではなく「サッカーモード」になっているせいか、この1ヶ月間に関しては「人間ドラマ」とか「ラブロマンス」とかは、まず観れないと思います(テンションがついていかない)。
だから、こういうアニメーションであったりファンタジーとかのほうが今は特にすんなり観れそうだな・・・なんてぼんやり思っていたところに、友人から「dmさん、犬ヶ島って観たんでしたっけ?あれどうでしたか?私、KUBO観て感動しちゃったんで、犬ヶ島も観たいと思って・・・。」
なるほど・・・KUBOか・・・。そういえば腹立つくらいことごとくタイミングが合わなくて劇場鑑賞を見送った経緯があったな・・今なら丁度いいかも。
ということで、KUBO鑑賞決定(笑)。

奇しくも先日観た「犬ヶ島」と不思議なほどの共通点。全編ストップモーションアニメで製作されていること、少年が真実を探す旅をするというストーリー展開、そして外国映画でありながら日本をテーマ(舞台)としていること。
そして、そのどちらも甲乙つけがたいクオリティをもって世に放たれたということ。
犬ヶ島のレヴューはそちらで・・・としますが、言うなれば「犬ヶ島」はあえてストップモーションであることを最大限に表現するために「らしさ」を前面に押し出しました。
かたや「KUBO」ではストップモーションの限界に挑むかの如く「ストップモーションでこんなに滑らかな動きが表現できるのか?」と観ている側を圧倒する映像だった。
勿論、両作における監督の作家性が色濃く影響しているにせよ、僕はどちらも甲乙をつけがたいと思う。特に「日本」の描き方がとても対照的だったのが印象に残っている。
どちらがどうということではない。それぞれが描く「ニホン」なのだから。
ただ、今作における「灯篭流し」における日本人の精神性の部分に関する描写を見て「よく外国の人がここを理解できたな・・」と感心してしまいました。そういった意味では自分自身がこの映画にすんなり入れたのも頷けます。

母親と二人で村の外れに暮らすクボ。彼は三味線の音色で折り紙に命を与えたり、木の葉を自在に操って物を作ってしまったりと不思議な能力を持っていた。彼の能力には悲しいルーツがあった。まだクボが幼い頃、クボの能力を味方に引き入れんとする祖父(月の帝)からクボと妻を守るため父が命を落としてしまう。
命からがら逃げ延びたクボとお母さんは最果ての地でひっそりと暮らしていたが、お母さんはクボに様々な「物語」を聞かせて育てた。そしてそれはやがて知ることになる自分達の悲しい過去と運命の物語でもあった。

「日暮れまでには戻ってきなさい。夜になれば月の帝に居場所がばれてしまうから」
お母さんがクボに念を押していた言葉。

ひょっとしたらクボには「夜に口笛吹いたら蛇が来るよ」みたいな迷信にも聞えたかもしれない。現実ではないんだよね~みたいな。
しかし、母との誓いを破って村で日暮れを迎えたとき、クボは月の帝の刺客に見つかってしまう。何もできずに追い詰められるクボ。
間一髪のところに現れたのはお母さん。そしてクボに「願い」を託し、自らを犠牲にしてクボを助けます。まさに全てを失ったクボ・・・。
クボはお母さんが最期に託した「希望」を探す旅に出ます。そして道中「口の悪いサル」と「お調子者のクワガタ」というかけがえのない仲間も見つけます。
様々な困難を乗り越えて辿り着く予想外の結末・・・。

観ていて思ったのは、ストーリーにいくつかの仕掛けがあるな・・と。
まず大前提としてこの作品のテーマの一番深い部分に「SW」があるような気がするんですよね。気のせいかもしれないけど・・・。
クボの能力もフォースのそれと似ているし・・・何も「物を動かす」ってことだけじゃなくね、「命」とか「自然」とかの調和というか、単純に攻撃的な「パワー」だけではなく、その能力自体が「クボの全て」を表しているかのような感じだったんですね。
でね、単純に言ってしまえば「え?僕ってそうなん?」から始まる壮大な血族間の争いってことろも似ているっちゃそれまでなんだけど、『運命を切り開くために避けては通れない出会いと別れ』っていうのを、子供でも分かるレベルでキチンとストーリーに織り込んで、尚且つ美しい映像と魅力的なキャスト(声優陣)が奥行きを持たせていた。

いっぱいいろんな事は感じたんだけど中々上手く言葉にできないな~。
まだサッカー脳から切り替えが上手くいかないんで、しばらくはリハビリ期間という感じですね。ぼちぼち頑張ります(もうしばらくはサッカー観戦の方をですが・・・)
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