「瞬きすら惜しむストップモーションの進化。」
「コララインとボタンの魔女 3D」などを手がけたスタジオライカの新作ストップモーションアニメ。中世の日本が舞台。てか普通に日本製作だと思うくらい再現が素晴らしい。自分は吹き替えで見たんだが、字幕版はシャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、レイフ・ファインズ、ルーニー・マーラらが声当ててて豪華。
まずストップモーションの完成度が凄い。今までも色々と進化してきたジャンルだが、最終形態と言っても過言ではない。VFXもふんだんに使っているが、見事な融合力。自然過ぎて全く違和感なし。
ストーリーも雰囲気に反して結構残酷なのも印象に残る。なんせ敵が身内だからね。父親は既にいないし母親は我が子を守り死ぬし、クボの身の内を考えるとかなり波瀾万丈な人生だよな。しかし、その重さを感じさせない可愛さや演出もあるのがこの作品の良いトコロでもある。なんかひとつの新たな昔話として語れそうなデキ。
とまあベタ褒めで終わろうと思ったが、ラストのあるオチがあまり個人的に好ましくないのがちょっと減点。詳しくはネタバレで。
でもまあ基本的には凄く良かった。見終わってからすぐの余韻のままの一言で語るなら、新たなストップモーション映画の傑作が誕生したとも思っている。海外産の日本舞台映画としても非常に完成度が高かった。
——————ここからネタバレ—————
ラスボス、まさか町の住人の故人の身内を結集して倒すってのもありそうで無かったから斬新だったし意外性のある決着で良かった。
が、叔父がいくら記憶が無くなったとは言えあれだけのコトやっててお咎め無しってのはどうもなあ。死亡までとは言わないが、何らかの制裁ぐらいは加えて欲しかった。
