前半は新宿で起きた殺人事件を捜査する警察の行動を克明に描いている。
現場周辺の物的証拠を探したり聞き込みによる確かな情報を得ながら犯人像を徐々に浮かび上がらせていく。
後半は警察が犯人を特定して探し出し追い込んでいく。果たして結果は…。
警視庁、国警本部、科学捜査研究所の後援で製作されたドキュメンタリータッチのクライムサスペンス。
無名の俳優や劇団員が演じているのでリアリティが溢れており、終始スリリングな展開でスクリーンに釘付けとなった。
昭和20年代の東京や横浜のロケーション撮影では、大きなビルもなく人や車の少なさが印象に映っていた。"敗戦"の名残りなのだろうか。
初めての主役を演じた丹波哲郎は山形勲の代役を感じさせない、堂々とした佇まいで笑い方が豪快である。髪をかきあげる仕草に男の色気を感じさせた。
今日から丹波哲郎祭が始まった。
ロビーには彼が出演した作品のポスターや写真が所狭しと飾っている。
全ての作品を鑑賞するのは不可能だが、時間とお金の許す限りヌーヴォさんに行ってみたいと思っている。
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/tanbatetsurou2023/tanbatetsurou2023.html