爆裂BOX

ザ・ハロウ 侵蝕の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ザ・ハロウ 侵蝕(2015年製作の映画)
3.8
アイルランドのある森に調査のために来たアダムと妻クレア、赤ん坊のフィル。だが、森には「ハロウ」と呼ばれる邪悪な妖精たちが…というストーリー。
「死霊館のシスター」のコリン・ハーディ監督の長編デビュー作です。地元住民が恐れる森に立ち入ったばかりに恐怖を味わうことになる一家の物語ですが、主人公達に警告する隣人や序盤の方だけに登場する保安官除けばほぼ主人公夫婦だけで物語が展開します。序盤は夜に石を投げつけられて窓ガラス割られたり暗闇の森の中に不気味な人影を見たり地味目な展開が続きますが、中盤からワラワラとハロウ達が姿を現し襲ってきます。そこからは一夜の戦いに限定しているのでテンポよく進んでいくのが良いですね。ヒロインを演じたボヤナ・ノヴァコヴィッチもいいスクリームクイーンしてたと思います。後、フィル役の赤ちゃん無茶苦茶可愛かったですね。
ラストも森が無くなっても新たな居場所を求めていくという感じで不気味な余韻が残っていい感じだったと思います。
中々楽しめた作品でした。
登場する妖精ハロウは森の中の洞窟の様な場所に棲み、赤ん坊を攫って見た目そっくりな自分たちの赤ん坊と入れ替える所など、チェンシリングの民話を基にしているんでしょうね。見た目は完全にクリーチャーな感じで、ワラワラ出てくる所や洞窟のような場所に棲んでいる所など「ディセント」の地底人を彷彿させますね。このハロウに刺されたアダムはだんだんと見た目が変化していき、精神も蝕まれていきます。隣人の攫われた娘コーラも変化させられてましたし、ねばねばした黒い菌類みたいな物体や序盤のアダムの冬虫夏草の説明などからハロウの正体は未知の菌類に寄生された人間のなれの果てかも?と想像しても面白いですね。
終盤攫われた息子を取り戻したクレアにアダムが「息子じゃない!」と主張する展開もそれが正しいのか精神を蝕まれたアダムが幻覚を見てそう言ってるのか判別つかない展開がハラハラさせます。ギリギリの所で正気を保って息子を取り戻す為、奮闘し、その無事を見届けて死んでいく所はジーンとしましたね。