やまひろ

ダンケルクのやまひろのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.3
『「ダンケルク」は究極の生と死、時間との戦いだ』
※ノーラン監督のインタビューから引用(セリフ少なすぎw)

クリストファー・ノーラン監督が第二次世界大戦における史上最大の撤退作戦として知られる「ダンケルクの戦い」を映画化

オリジナル脚本や原作小説、コミックなどを映画化してきたノーラン監督が史実に基づく戦争を映像化した今作、すでにアカデミー賞候補に上がっているだけの内容だった。

この映画のすごいところはたくさんあるが、何よりも「音」と「映像」
CGを使わず、とことん本物に拘っている。
例えば、本物のフランスの大型軍艦マイレ・ブレゼ使ったり、500万ドルのアンティークの飛行機を飛ばしているんだって。(500万ドルってw)

さらに、IMAX70mmフィルムで撮影され、よりリアルな映像を上映している。この方法で撮影した場合、画面の面積が圧倒的に大きく、画像も鮮明になるらしい(そのままのサイズ・解像度で上映できる映画館は世界でも10〜20館程度らしい)
私が観た劇場はIMAXですらなかったわけですが、それでも凄まじい映像でした。戦闘機からの映像が凄すぎた!

あとは「音」これが他の映画よりも臨場感があり、重厚な音楽とリアルな音が響いてくる。ずっと時計の秒針の音がなっていて、息が詰まるほどの圧迫感を映像と場面からさらに臨場感を演出している。

・ダンケルクで待つ兵士たちの「1週間」
・ダンケルクに船を出して迎えに行く民間人のドーソンとその息子と友人が味わう「1日」
・戦闘機スピットファイアを操る3人の空軍兵がダンケルクの浜に辿り着くまでの時間「1時間」

1週間と1日と1時間の3つの時間軸をそれぞれの登場人物の違った視点でストーリーが進んで行く。
はじめよくわからなかったが、理解し始めてからは映画の見方がかなり変わっていくのが面白い。同じ場面が違った視点から映し出されるから、さっき空を戦闘機で戦ってたのが次は船上からその戦闘機を見てて…みたいな事がどんどん繰り広げられていく。

「撤退」というシンプルなテーマをここまで高いレベルで作り上げていくノーラン監督には今作でも驚嘆し脱帽し感動する。

正直、106分と最近のノーラン監督の作品では短いと思ってたけど、今作「ダンケルク」に関して言えば、絶妙な上映時間だと思った。あれ以上長いと気持ちが追いつかない、それほどの緊迫した映画だ。

TVCMでこの作品の宣伝してるけど、軽い気持ちでこの映画観てしまうと、つまらなく感じる人も多いかもね。ちょっとそれが残念。まぁ一般受けは狙ってないのかもしれないけどw


余談、日本で唯一IMAX70mmフィルムでベストの映像(約40%カットされない)を上映しているのが109シネマズ大阪エキスポシティのみらしい。せっかく地元大阪にあるので、近いうちに2回目ここに観に行こうと思います。
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