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ダンケルクのyunumataのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.0
とにかく寡黙で、ストイックで、シンプルな映画だったのがとても良かった。『インターステラー』と違って、見終えたあとに残るものが特にない(笑)けれど、終始観ている人間を振り回し、翻弄し、錯覚させ、脳味噌をシェイクし続けてくれたグレートアトラクションムービー。まるで『タイタニック』の沈没シーンだけを延々100分間くらい見せてくれたような贅沢さだった。あそこまで見る人を高揚させる要素こそないけれど、良かったぁ…人間の命ってやっぱりカスなんだな、と思わせてくれる一種の快感(その気持ち良さと、どこかほっとする気持ちと……人間も虫も同じ命だよな、みたいな)がちゃんと宿っていて、自分にはとても心地よかったです。もちろん怖かったけどね!
最後の列車のシーケンスは紛れもなく名場面で、「無様に負けても君は生きている」というメッセージに否応無く奮い立った。家のちっちゃいテレビではもう一度見る気が起きないので、そういう意味では再見性が低い映画かもしれないです。海の上の距離感だけ、いまいち測りきれない所があった。そこはCGを使っても良かったんじゃないかな。

劇場(2017.09)
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