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ダンケルクのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.8
さすが、クリストファーノーラン。魅せ方がスゴい。

リアルで息苦しい水の恐怖感とか、壮大で広大でキレイな空の上での空中戦の緊張感とか。

え?トムハーディ?だったの?え?、、、え!?とか。
しかも、途中から脱出劇に加わる彼、ワンDのハリースタイルズ、だよね、これ。
それに全体的にイギリス紳士系イケメンが揃いも揃ってるな。優しさとカッコ良さを兼ね揃えた見た目、素敵。

妙にセリフが少ない感じで、深々と兵士たちの残されて帰れるかわからない不安や、どよんとした空気や疲弊感や徒労感や絶望感を漂わせる。

船が来るたびに爆撃の脅威に晒される陸。
人知れずダンケルクを救おうと暗躍するがなかなか陸には伝わらない歯痒い空。
乗っても次から次へと沈み、放り出される海。

これらを若い兵士達のがむしゃらさと、時に勇敢で時に残酷で時に優しく時に薄情な、様々な思いが交差しながら描かれる。

孤独なようで、でも、1人ではどうしようも無い状況。
祖国は目の前の海の向こうに見えるのに帰れないもどかしさ。

この祖国に帰るためには手段を選ばず、常に一縷の望みにかけて必死なのにどこか遠い目をした兵士達の姿が印象的。

1940年5月、前年にドイツがポーランドに侵攻したことで第二次世界大戦勃発。

ドイツがその勢いそのままにオランダに侵攻。
ここから破竹の勢いでヨーロッパを席巻していくが、そこ、ダンケルクの海岸にイギリス、フランス軍が追い詰められる。

その兵数40万人。
イギリス首相チャーチルの名の元、軍艦のみならず、民間の遊覧船、漁船も動員しての大救出劇。「ダイナモ作戦」。

wikiで調べたら、やっぱり空軍はそれなりに空で活躍してたからこの作戦が成功したらしい。

ドイツ軍を引き付け、ダンケルクから目を逸させるためにイギリスの友軍達は取り残されて犠牲になってるとか、トムハーディみたいに捕虜になって犠牲になってる兵士たちもいる。

史上最大の救出作戦。
空も陸も海も、みんなが生かそう、帰ろうという倒れても起き上がるかの如く、踏まれても上を向く雑草のような小さいけど決して折れない意志を感じた。
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