お湯

ぼくは明日、昨日のきみとデートするのお湯のネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

DVDレンタル開始してから、すぐ借りて見た。
同じ設定の脚本を思いついて、この映画を知り、話かかぶらないために見ました。
勉強のため、って感じだったけれど、楽しんでしまいました。とても良かった。

三木監督だなぁ、さすがだなぁって、ずっと言ってた。
なんで、ほかの青春映画とは違った、この切なくて儚くて、でも温かい感じが、こんなにも映像に出せるんだろう……。
三木マジック


やっぱり設定が面白くて、そしてそれを支えるセリフがとても良い。
ナレーションやモノローグなど、好きではないけれど、この映画において「主人公たちの語り」はとても大切であり、効果的だなと思った。日記を思わせる演出。


福士蒼汰が、「あれは彼女にとっては、最初じゃなくて最後だったんだ」と気づくところ、本当に好き。
それが最後だとしても、最初を見れるなんて、嬉しいことじゃないのかな?って思ってたけど、それは私たちが別れを知らないからだな、と思った。
最後って本当に最後だもんな…
悲しい。


この設定だと、「自分の時間が進むたび、相手がそっけなくなってくる」という悲しいことが生まれるはず。
だけど、あまりこの映画では焦点が当てられていない。というより、小松菜奈や福士蒼汰がその現実を、意識的に跳ね返している。

時が進むと恋人が素っ気なくなる、それは普通の時間を生きている私たちにも起こることであり、この映画は特別な世界の話ではないと思う。
相手が素っ気なくなろうとも、相手を思う心が自分の中に強く持てば、相手を笑顔にすることができる。それには、自分がずっと運命を受け入れなければならない、という覚悟がなければできない。まさにそれを描いた物語。


エンドロールまで、しっかり世界観を掴んでいて、最後の最後まで楽しめた。
理解させにくい設定を、説明セリフなどに頼らず、うまく見ている人に分からせるのがすごい。
お湯

お湯