いの

天使の影のいののネタバレレビュー・内容・結末

天使の影(1976年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ゼッタイにウトウトしないように無理してお昼寝までして出かけたのに、途中までは大丈夫だったけど、途中からやっぱり時々戦線離脱。まったく不甲斐ない。映画のことわかってないし鑑賞能力も著しく低いので、以下は全くアテにならない感想です。それでも自分が感じたように書きたいのでそうします。


的外れだと思うけど、青二才的映画のような印象を受けた(厨二とは違う)。わたしは、いまだにオトナになれないところがたくさんあって自分でもイヤになるけど、でもきっと、無意識に捨ててきたものもあると思う。青二才的なところをまだ自分で大事にできていたら、この映画の受け取り方はもっと違うものになっていたのかもしれないと思ったりもする。


舞台劇を映画にしたとのことだけど、舞台劇のままでも良かったのではないかというのが率直な感想。たくさんの内省的な台詞を重ねていくけど、残念ながら自分の心の奥深くには入ってこなくて、自分とは違うどこかですべっていく感じがした。男が女の首を絞めても、どこかウソっぽくて(死んでいくようには全く感じられなくて)、舞台で映えるようなポーズで静止しているだけのように感じてしまう。これは冒頭のネコの場面でも、ネコは生きている感じがして(それはそれで安心できるからいいんだけど)、どこかウソっぽく感じる。終盤で男が女の首を絞める場面は、前半での場面(フィルマのサムネ)とも呼応する。ってことは、前半、ファスビンダーは女を殺したってこと? 女は二人の男によって殺されたことを意味するのかな。でも、それは劇的で印象的な画ということであって、わたしの心の奥底には残念ながら突き刺さってこなかった。


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主演のイングリット・カーフェンは、「13回の新月のある年に」に出てきたなとか、娼婦仲間の女性は「不安は魂を食いつくす」でエマの娘役だったなとか、そんなことしかアタシにはわからなかった。スキンヘッドの男性は、そのままリンチのDUNEに出演しても違和感なし!


あ、あともういっこわかったことがあった! 『アングスト/不安』という映画は観たことないけど、”angst”がドイツ語だってことを今作で理解した。この映画で一番耳に入ってきたのが”angst”という単語。今作での頻出単語だった。


「幸せは楽しくない」という台詞があったけど、楽しくない幸せと、楽しい不幸せとあったら、アタシはどちらを選ぶのだろうか。いやいや、そんなんわからんわ


メモ
(この時1941年生まれのダニエル・シュミットは35歳、1945年生まれのファスビンダーは31歳)
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