継

ガラスはジャズるの継のレビュー・感想・評価

ガラスはジャズる(1958年製作の映画)
3.9
高温の窯で溶かされた, オレンヂ色の水飴みたいなガラス。
邦題に合わせて形容するなら,
職人の熟練した指さばきは, 弦を弾くようだったり鍵盤を叩くようだったり,
頬を膨らませてガラスに息を吹き込むさまは, トランペッターのようだったりする。

このまま手作業の映像なのか?と思いきや, BGMのジャズが終わるとその後は打って変わって電子音をバックに工作機械が登場。
オートメーション化された大量生産の工程へと, 映像は何だか味気なく様変わりするのですが… 。

🎸🎹🎺

オランダの映画監督ベルト・ハーンストラによる 11分のショートフィルム('58年,オスカー受賞作)。
この方の名はジャック・タチ『トラフィック』の脚本にもクレジットされてるんですが (元々はタチとの共同監督の予定だったとか),

機械が巻き起こすトラブル (6分過ぎ〜) をシリアスな批判めいた論調で映したりせず, “やっぱり俺達がいないとダメだなぁ(^^)” 的に職人に穏やかに回収させる辺りは, 確かに似た作風を感じます。

クラリネットとヴァイブラフォン入りの編成って, この年代のジャズにしてはクラシカルで白いんだけれど,
終盤に向けて, 職人の踊るような指さばきをワルツ調にして観せたり, 機械と職人のカットを互いのソロ交換のように交互に観せたり, メロディにシンクロする機械に職人が合いの手を入れたり(微妙にズレる(笑)して, なかなか良く練られた楽しい曲♬, 本作にピッタリでした。

You Tubeで視聴可能,『GLAS』で検索すると見つかるかな?と思います(^^)。
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