Oto

ファンタズムのOtoのレビュー・感想・評価

ファンタズム(2014年製作の映画)
3.9
息子の死を受け入れられず、降霊術にすがる母親のホラー。ナメテタ案件、面白い。

自主感もあるけど本がしっかりしていて、ちゃんと怖い。やはり低予算とホラーは相性がいい。

演出のヒントがたくさんある。
・章立ての工夫、子供のお絵かきで視点を切り替える。
・冒頭シーンの張り手、人間がし得ないアクション。
・一年後の「あれ?思ったより家族の様子が変わっていない」と感じさせる自然な芝居。険悪になってるとかはステレオタイプだよなー、その後の母の描写の強度を増すためにも絶対この方がいい。RUNと似たシーン。
・絶妙な胡散臭さのある降霊術師、玄関の照明を用いた後光の演出。
・説明の省略、教わるシーンは入れずにいきなり洞窟の儀式を描く。
・拭いたのに再び濡れている床、そして足跡。透明人間と同様に「不在」の見えない恐怖。
・仕事人間で罪の意識のない父親vs父親の代理として家族を救った降霊術師の構図。そして息子の死の真相と対決の結末。

母親の儀式が間延びしてると感じたのと、テーマを考えたときのファーストシーンの弱さはあるけど、母と降霊術師だけの自宅訪問シーンとかはすごく印象に残っている。
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