Oto

リバー・オブ・グラスのOtoのレビュー・感想・評価

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
3.8
蓮實さんが絶賛するケリー・ライカートのデビュー作。
銃をなくした刑事の父と、それを拾った娘とのすれ違い。
眠たくなるだろうなと思っていたけど、かなり観やすかった。

この時代はジャームッシュもタランティーノも「無駄話」の作家が多い。
令和に見ると酒村ゆっけをはじめとするYouTuberやTikTokerの文脈で受け取る人が多そうだし、OPとか結婚式ムービーみたいだけど、話にはいちいち発見があって面白い。
一緒にみた先輩が「バナナマンが前にラジオで"1分持つどうでもいい話"というコーナーをやってたけどそんな感じよね」と言ってた。

一日は長いのに一年は短いとかも、名作コピーでそんなのがあったし、
親によって人生が規定されちゃうという閉塞感とか、この作品のテーマに直接なるような発言もけっこうあったな。

逃げ回る理由は思い込みだったのに、最後にそれを自分で本物にしてしまう主人公というのがすごく映画的。「情けない犯罪者」って面白い。

ドラムソロのシーンかなり好きだし、脇役たちの異様な存在感もすごい…(テレビ叩いてるやつも謎に部屋に入ってくるやつも)。
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