イベリー子豚

リトル・マーメイドのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.9
「マー・ピープル大好き【ロブ】ニキと」
「【100 years of WONDER】さんが贈る」
「【カリビアン】より【カスピアン】な」
(サルディーニャだけど)
「物語よりも【歌声】で泣ける」
「色彩豊かで眼球焦げそうな」
「【魅惑の深海パーティー】」
「もうロマンスだけじゃない【価値観からの脱却】」
「【m.c.オークワフィナ】のバイブスが激アゲ」
「相変わらず【ワンダー】な優しげ太陽ボイス」
「《そんなヌルヌルの連中とどこへ……!?》」
「《あら?とーってもお得な取引なんだけど?》」
「《あと2日!カニにだって任務がある!》」
「《私が寂しくなるだけだな……笑》」
「オマケなしのハッピーエンド!これぞDisney!」




これは迂闊でした。

「字幕かつ、ドルビーシネマ」であっても
「土曜の昼下がり」は油断出来ません。

序盤のハイライト、
【パート・オブ・ユア・ワールド】が
「幼児のギャン泣き」で
まさかの歌声キャンセリング。


小さなお友達同伴なら
【木村昴】バージョンに行きなはれよ!!

【ハリー・ベイリー】はまだ早いって!!


……と
まずは、オトナゲない提言をさせていただきました。

気を取り直して参りましょう。


基本の科目は
『アクアマン』
『ウェイ・オブ・ウォーター』
『ワカンダ・フォーエバー』とほぼ同じ。

「人間」VS「海の生き物」。

中でも本作は、とにかくシンプルです。
ダシの旨味が透き通った、淡麗系。


二人の男女。
若さと親心。
掟とフロンティア精神。
変わっていくものと揺るがないもの。


悪は悪のままで
まさかの裏切り、大どんでん返しもございません。


でもそれがイイ。ホッとします。
 
何より【ハリー】が超ステキ。

歌に込めらたエネルギーとパッションはもちろん、
言葉が無くても惹かれてしまう気持ちが分かります。


他のキャストも実力派揃いで渋い。
(逆に言えば単独で客を呼べるスーパースターは不在)


どこまでも広がるオーシャンのビューも
ドルビーシネマで真価を発揮。

冒頭の「波しぶき」だけで鳥肌もの。


唯一無二の映像体験!!……とまでの
新鮮さはありませんが
通常スクリーン以上のプラス料金の価値はあるかと!





さて、一通りヨイショも終わったので
ここからは気になったところを箇条書きで。


・「字幕訳」(脚本)がめちゃくちゃ真面目!

もう少し毒気というか遊び心が欲しい!
特に【セバスチャン】と【スカットル】の掛け合いが
定型文すぎて笑えない!もったいな!


・王子の良さ、魅力が描かれてない!

国民のため、臣下のため、女王のため、
何より【アリエル】のため……もっと頑張ってくれ!


・お姉様たちの活躍がない!!

折角の多様性が台無し!!
クライマックスで連携プレーが見たかった!


・【アースラ】さんの最期が分かりにくい!

オリジナルの記憶がないから何とも言いえないけど
むしろここは思いきって改変して
「和解」「改心」「良き叔母へ」コースでも良かったのでは……?
まんま『ライオンキング』じゃ……。

変身後の美女モードでの暗躍も
もっとあっても……ね!


・そのラストバトルが完全に『ワールドエンド』!!

どんだけ【ゴア】コンプレックスが強いんだ!
「『生命の泉』の評判が悪いのは
俺のせいじゃ……!」
「三部作の方がやりたかった!」かい!

遠ざかる船を見つめる構図が
完全に【エリザベス】なんよ!!



・……さすがに言いすぎました!!
陸じゃ、みんな働きすぎで心が荒んでるからな!
隣の海藻は青く見えるぜ!!!