このレビューはネタバレを含みます
フランソワ・オゾン監督「婚約者の友人(原題:FRANTZ)」試写会にて鑑賞。ドイツ人のアンナ、フランス人のアドリアンの間に横たわる“フランツ”の存在。誰も誰かの身代わりにはなれやしない。途中フォーカスが替わる時のお互いの立場、孤独さがやるせない。 アンナの重ねた嘘は彼女の強さ故。タイトルは原題の“フランツ”の方が良かったかも。
主演のピエール・ニネは繊細で苦悩に満ちた役所でしたが(乱れた髪も美しい)特にヒロインを演じるパウラ・ベーアに魅せられました。ショパンのノクターン、ルーヴル美術館のマネの絵画、ヴェルレーヌの詩篇は此の作品を観た後別の印象に変わりました。
予備知識無く鑑賞した方が謎めいた雰囲気と驚きを体感出来る様な気がします。