Shintaro

復活のShintaroのレビュー・感想・評価

復活(2016年製作の映画)
1.5
……。

What the fuck⁉︎

なんで…なんでいつもこうなるんだ!
映画冒頭から規模の小ささが浮き彫りになる戦闘シーン。バイオレントだがなんか悲しくなるコンパクトさ。
今作は、イエス復活を斜め目線から見る訳でもなく、屈折させて捉えるわけでもなく…
”復活だ 奇跡だ 恵みだ キリスト万歳だ” と終わっていく ゆるふわな物語だ。
復活の意味とは?などというのは飾り文句でキリスト教徒でない人がキリスト教に目覚めるまでの過程をまっすぐ描写する。

わかってる、宗教を題材に そう簡単に映像化は無理だと。
でも、その恐怖を乗り越えて 自らの性癖を全開にして”受難”を描いた傑作もあれば、スコセッシなどはちゃんとイエスの奇跡と受難をイエスの個にクローズアップして見せた素晴らしい作品がある。

そんな勝負はハナからする気がない。イエスが文字通り”復活”した後キリスト教というものが爆誕する という終わり方。主人公のクラヴィアスは奇跡を突きつけられたら見事に人を変えてしまった。

軍人として軍神を崇めてきた彼は、奇跡を突きつけられればそれに反発し苦悩し続けて欲しかった。
それでもイエスに着いて行こうとするなら 彼はイエスを偏執的に愛して欲しかった。彼を支配してやりたいという表情を見せて欲しかった。
宗教を描く映画で、安っぽいエクスタシィーを見せられても何とも思わない。
偏執的だからこそ神秘性は増します。
だから、危ういですが僕にとっては”パッション”こそ本当の宗教映画だと思っています。
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