1年ぶりくらいのレヴュー…
この一年でクソ面白かったのが『ジャンクヘッド』でした、
コロナも相まって、殆ど映画館に行かない日々が続き、だいぶ久しぶりに観ました。
今作、ちょっと好奇心が湧いて観に行きましたが、、
細田さんって素晴らしく真っ直ぐな方なんかな〜って思ってしまった時間になりました。
全作(最初の3作くらいしか観てない)鑑賞してないビギナーなんで、一方的なレヴューですけど、
上映時間が進む毎に、なんかな〜…ってなってしまう映画でしたね。
最初の30分くらいはめっちゃ引き込まれるんですけど、
なんか登場人物たちのテンションが掴めなくなってくるんですね、後々。
10年ぶりくらいに主人公に優しくしてくる(無意識にオトそうとしてくるのが腹立つ)イケメンと、
無二の親友で、辛い主人公に寄り添って来たと思ったら、この子にはそんな事無理無理!みたいにクソ否定してくるメガネキャラの友達。
居てもいなくてどうでもいい、カミシン&モテ女(名前忘れた)。
四天王みたいな立ち位置の中年合唱団。
一瞬出てきたと思ったら割と核心やった、
竜の本体(ぽっと出過ぎて え?ってなる)。
こんな顔ぶれが現実パートで次々に出てくるから、端的に言って頭バグる。
話を作る為の話、障害を乗り越える為の障害、救われる為の救う材料、、、
…もうこんなのはスターウォーズ(シークエル)だけにしといてくれと呆れ果てます。
やりたい事があるなら、もっと本気で内面と向き合って欲しいです。
そのキャラクターが作品の中で生きてるなら答えありきの行動をさせないで欲しいです。
細田さんは誰よりも現実で起こる残酷さに敏感な人だろうし、それと向き合いたいと思ってるはずでしょうが、
なんでかどの作品も空回りしてるように思ってしまう。
でなければ、映画のラスト、
虐待される子供との描写であんなにも観てる側が冷める演出をしないはずです。
立ち向かう気概は素晴らしいけど、
睨めっこしたらなんで父親腰抜けんの??
主人公の気が晴れただけなんじゃないの??
それに気遣って竜(の本体の男の子)が"闘うよ…"って言ってくれただけじゃないの??
いくら主人公が辛い過去を背負ってるにしたって、善意の押し売りにしか見えません。
映画を観ててずっと思ってた事は、
『竜』は、本当は鈴の『お父さん』なんじゃないか?って事。
彼女と同等かそれ以上の苦しみを秘めるのは、近場にはお父さんしかおらず、
娘との向き合い方が分からず、奥さんの影をずっと追ってる孤独な男として描いて欲しかった。
最終的に鈴が竜に恋心とは別の感情を抱くなら、父親に対してであってもいいし、
細田さんが家族の在り方、人と人との繋がりを描くっていうなら、何故お父さんではなく、何処の誰でもない他人なのか?
最も近い存在との繋がりはLINEのメッセージで解決してしまうのか??
お父さんもっと言いたい事あるだろ、
意味深な登場シーンが多かったから絶対裏あるやろって思ってましたけど、なんか神様みたいに俯瞰視してる人やった。
壮大さや社会性もとても重要ですが、
もっとパーソナルな部分に注力して頂きたい と思ったのが今作の感想です。
久しぶりに言いたい事があった映画を鑑賞出来たので、いい経験になりました。