Shintaro

家族を想うときのShintaroのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.0

こんなキツい…映画久しぶりに観ましたよ。

なんでこんなに上手くいかないんだろう…
なんで良かれと思った事が裏目に出るんだろう…
なんで幸せがあんなにも遠く感じるんだろう…

常に得体の知れないプレッシャーに、身も心も圧迫されてるようなそんな2時間でした、この映画。

そんな明るい性格でもないんで、
とても辛い話なんですけど、やっぱりどこか仲間意識というか、同情的な目線でキャラクター達を見てるんで達観して映画を見る事なんて出来ないし、“他人事”とは思いたいけど思えないような感情にさせられます。

出口のない凄い劣等感を感じる瞬間がある、あった方、それを今感じてる方にとってはこの映画はちょっとリアル過ぎかも。

ケンローチって名前は知ってたんですけど、
映画はこれで初めて観ました。
スゲー監督だなと、、
作り手の想いというか怒りみたいなのを映画から感じます(もちろん愛をもって作られてると思いますが)。
引退宣言撤回してまで、作った作品がこれっていうのが何となく納得。

キャラクターの造形も、一人一人が酷い現実に生きてるといったリアリティがあり、
だからといって
“聞いてくれよ!こんなにも理不尽なんだぜ!!”
みたいな、泣き言も押し殺して生きてる様が泣けてきますよ、本当。

息子役の子の演技も良かったし、何より娘役の子が良かった!
お母さんの様に中立的な立場で、一番冷静に物事を見てる(ある意味諦めてる)かと思いきや、バンの鍵の件で 必死の訴えを見せる辺りで うわぁ〜となりました。

お父さんの仕事場も、あれがマジでイギリスに存在すると思うと吐き気がします。
もちろん日本も例外ではないですけど、

ホッコリするシーンもいっぱいあります。
テレビドラマならそのシーンの後は大体事態は好転します。
今作では当然のようにそう上手くはいきません。
明確な悪による理不尽が襲うわけではないので、観客も戸惑います。

最後のエンドロールの入り方なんて最悪です。
“ここで終わりはやめて……嘘やろ(゚Д゚ )”
これが絶望か希望かは分かりません。
凄くショックだったのは確か。

なんか抽象的な感想ですが、本当観て良かった映画でした。
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