みや

ゾンビ・サファリパークのみやのネタバレレビュー・内容・結末

ゾンビ・サファリパーク(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ゾンビ世界大戦で父親を亡くした女性が治療のために訪れたゾンビ狩りを楽しめるリゾート地で島中に解き放たれたゾンビと戦うホラー。

設定がとても良い。ゾンビ物はコメディーの方が好きだけれど、この作品はシリアスだからこその良さがあった。社会派ゾンビ作品。
ゾンビパンデミックに勝利した人間たちがゾンビを捕え、ゲームとして嬲り者にする。極端ではあるが、これまでの実際の歴史で勝者が敗者にしてきた構図と非常に似ており、敗者側がたとえゾンビであっても、その胸糞悪さは変わらない。
人種差別を彷彿させ、前半ではとにかくゾンビへの憐憫が積まれていき、人間の傲慢さばかりが目に付く。難民問題との結び付けも面白かった。
ゾンビ映画で中心となる所謂『ゾンビからの逃走劇』の部分以外のところが良かったので、他の作品と同じありきたりな場面はもっと少なかった方が私は楽しめたと思う。

『噛まれたばかりだと足が速い。10年前のゾンビだから大丈夫」という設定も面白い。後半の本社(?)に入った後に襲ってくるゾンビの足が速いことの理由にもなった。
でも、最後の最後で大勢のゾンビに追われて走る場面に萎えてしまった。普通のゾンビ作品に成り下がってしまった感が凄い。あそこで主人公が救われなかったら面白かったのだけれど、ご都合主義で生き延びてしまったし。この結末は至極残念。
みや

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