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ザ・プレデターのdm10foreverのレビュー・感想・評価

ザ・プレデター(2018年製作の映画)
4.1
【神か悪魔か】

~若干NB含みます~

<なんで、今頃プレデター?>
鑑賞前の漠然とした印象。
87年に公開されたシュワルツェネガー主演の「プレデター」の大ヒットを受け、その後街に現れてみたりエイリアンと戦ってみたりと、そのステージをどんどん広げていったんだけど、段々と「薄く」なっていった感もあり・・・。
そんな感じもあって「今更感」がどうしても拭えなかった。

・・・ところ~が!ですよ。
そんな鑑賞前の若干の期待値の低さも手伝ってか、予想を軽く飛び越えてきました。
これは面白いですよ。
何より一番嬉しかったのは「初代プレデター」に立ち返ったかのような作品に仕上がっていることですね。
もともと今作の立ち位置てどういうスタンスなんだろうか?という点が気になってました。
いわゆる『リブート』のように設定や舞台を現代に移し変えて、もう一回最初から始めましょうっていう感じなのか、あるいは「続編」という位置づけなのか(タイトルからしてスピンオフではないと思われ)。
で、今作に関しては「続編」です。それも「初代」からの正統な。
それは単純に登場人物や設定で繋がりを意識させるのではなく、世界観が上手く引き継がれていたり、ところどころに「初代」へのオマージュ的要素も満載です。
例えば登場人物。
主人公と一緒に戦うのは曲者の軍人達っていうのも一緒だし、その中のキャラクターでも「コイルとバクスリーの腐れ縁コンビ」なんて、初代の「マックとブレイン」の関係とよく似ているし、「奴は武器を持たない人間は殺さない」という設定も初代で、しかも女性兵士アンナがそれを上手く利用し難を逃れていたしね・・。
そんな感じで(あぁこれって・・・)と頬が緩んでしまう演出がいくつか織り込まれていた。
あと全編を通して「ややコミカル路線」をとったのは狙いだったのだろうか?
でも結果的にはこれもよかったと思う。「プ○シー」とか平気で言っちゃったり、ハロウィンの仮装に本物のプレデターマスクを被って行っちゃったり、ラストの戦闘はやっぱり「森の中」で戦うし、プレデターの外見を「ウーピー・ゴールドバーグに似てる奴」とか言っちゃうし・・・。
でもそのお陰で前作との違いがすんなり入ってきた。

前作では、あくまでプレデターの目的は「狩り」だった。だから人間を狩ったあとの頭蓋骨をトロフィーのように飾ったり、戦い方もどちらかと言えば「遊び」に近いくらい。
今回もそれなのかな・・・となんせ出だしからプレデター丸出しで始まるしね・・・。しかし様子がおかしい。いっちばん最初に犠牲になった兵士はともかく、それ以外「狩って」ないんだよね。攻撃されれば反撃するけど、人間を狩らない。
その辺に若干(つまらなさ)を感じ始め、「やばい、これは見なきゃよかった類の奴や!」と心の声が響き始めた頃、『アルティメット(究極の)プレデター』の登場で物語が一気に転調します。それまでの展開がチワワ同士のケンカにしか見えなくなるほど、アルティメットの戦闘能力はずば抜けています。
そしてその辺から今回のプレデターの目的がチラチラ見え始めます。
目的は「狩り」ではない。・・・う~ん、広い意味でいえばそれも「狩り」になるのかもしれんけど、いわゆる彼らが今まで行ってきた方法ではない。ある意味では理性的で、ある意味では末恐ろしい目的。
後半はそれを軸に物語が進みます。というか一気に加速します。

そこにね・・・いいキャラが登場するんです。
「プレデター犬」
もともとはプレデターの「猟犬」的な猛獣なんです(多分)。
それがひょんなことからこちら側に懐いてしまって、気がつけば要所要所でプチ活躍すらします。顔は怖いですがメッチャいい奴なんで許してやってください(笑)。

で、じゃあアルティメットプレデターよりも先に地球に来ていたプレデターは、狩りもせずに何をしていたの?ってことになる。
アルティメットからは「裏切り者」とまで言われて・・・。


実は彼は自分の身の危険を承知で地球にあるモノを届けにきていたのです。
それが何かは観てのお楽しみですが、僕はこれに二つの意味を感じました。

「もう恐れることはない。立ち向かえ!」というグッドエンディング系。

・・そしてもう一つは
「お前ら弱すぎなんだよ。[それ]やるからさ、もう一回楽しもうぜ」
という絶望的なメッセージ。


多分ね、大方の見解は1番だと思う。
でも、この映画の・・というか「プレデター」という『宇宙最恐のハンター』の設定をブレずに通させるなら2番もありかな・・・と。
もしそうならメッチャ怖いけど、続編気になるわ~とも思った。

あくまでも個人的願望込みです(笑)。
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