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透明人間のTSのレビュー・感想・評価

透明人間(2019年製作の映画)
3.1
【そこにいるという恐怖】71点
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監督:リー・ワネル
製作国:アメリカ
ジャンル:ホラー
収録時間:124分
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2020年劇場鑑賞24本目。
1933年の『透明人間』を現代風にリブートした作品。あれ、2018年にジョニデが主演すると噂されていた透明人間はどこに。。今作の出来は決して悪くないですが、やはり1933年版の衝撃度の方が凄く、今作はやや平凡な感じでありました。透明人間という性質もあり、結構低予算で作れているのが良し悪しありますね。

ストーカー気質の科学者エイドリアンは、自分の邸宅で恋人のセシリアを束縛していた。ある夜、セシリアは逃亡を図るのだが。。

いきなり豪邸の寝室で寝ている二人の映像が写り、彼女は逃亡。はて、なぜ逃亡するのか最初はわかりませんが、なるほど束縛男だということが徐々にわかります。そしてそのサイコパス具合を冒頭に醸し出すことにより、いつ彼が襲ってきてもおかしくないというのを鑑賞者の頭に植え付けます。なんせ、今作のタイトルが透明人間なんだから、100パーセント彼が透明人間となりセシリアの前に立ちはだかるのだろうと思えてしまいます。

今作は音響がなかなか迫力があり、見るならば映画館の方が楽しめるかもしれません。ここでその音を大きくして驚かすのかというところも多々あり。例えばなんの変哲もない、目玉焼きを焼くシーンの音も、明らかに何かあるだろというシーンの前後に挿入されるので緊張感が増します。中身自体はそんなに怖くないホラー映画なのですが、ホラー映画最恐の武器とも言える「音」を巧みに利用してくるので中々侮れない作品です。

とは言えやはり物足りない感じは否めず、敵が敵で透明なだけであり、不気味さはあるものの、どうしようもないなこれは、といった感じにはなりません。「絶望感」という要素が希薄なのも今作が惜しいと思える所以。ただ、評論家からは絶賛されてるようですし、世間的にも高評価の作品ですので、それなりに楽しめるスリラー映画なのだと思います。
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