ごりぞう

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのごりぞうのレビュー・感想・評価

3.8
【時間は戻せないし過去に生きるべきではない】

 個人的に、「Disney and Lucas」の表記を観て、“うえっ”となってしまった。Disneyには残念ながら、ポリコレ臭が漂う。本当に残念なことだ。
 発端となるのは、やはり第二次世界大戦末期の(オカルト蒐集家ヒトラー設定の)ナチの科学者(マッツ・ミケルセン)とのアイテムの奪い合い。若い頃のハリソン・フォードが再現され驚く。
 そして時間は過ぎて、アポロの歓迎パレードに沸くアメリカ。隣の若者の騒音に怒鳴り込む老害と化したヒーロー。大学を退職する老人となった我らがインディ。顔も身体もヨボヨボである。離婚して孤独で、時代に取り残された遺物のような存在になっている。
 そこへ、過去のアイテム“アルキメデスが開発したダイヤル”のカケラを求めて、アポロ計画に潜り込んだ、マッツが現れて、再び冒険の世界に巻き込まれていく。
 老体のハリソン・フォードが活躍するために、肉体的アクションではなくカーチェイスを主体にしてスピード感をだしている。また、フィービー・ウォーラー=ブリッジ演じるヘレナがその分のアクションをサポートするようなスタイルになっている。また、イーサン・イシドール演じるテディという少年が魔宮の伝説のキー・ホイ・クァンを想起させるキャラクターで、
旧作のネタを散りばめたファンが楽しめる作品になっている。懐古趣味が過ぎる感もあるのだけれど。
 古代遺跡のトラップギミックがもっと観たかった感じがする。

 いずれにせよ、老人となり生き場所を失うこととなっても「今、ここ」を必死に行かなければならないと老体に囁く映画である。
 
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