Masato

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのMasatoのレビュー・感想・評価

3.5

良くも悪くも相変わらず

インディ・ジョーンズ久しぶりの新作にしてハリソン・フォードが演じるのは最後。実質最終作。

最後だから変化球を投げ込むみたいなことはせずに、いつもと変わらない直球勝負で挑んだ5作目。これを好意的と見るかどうかは見る人次第で、今まで通りのものを見たかった人にとっては満足できるものに、現代らしく新しく生まれ変わったものを見たい人には古臭さを感じられてしまって退屈に感じるかもしれない。

私は本作の前にシリーズを一気に見た程度で特段好きなシリーズでもなく思い入れがないためか、やはりいつもとの変わりのなさと今ではやり尽くされたありふれたアクションシーンの連続でそこまで新しさを感じさせない。むしろ古臭さしかなくてあまり良いとは思えないが、だからといって面白くない訳ではなく、らしさ溢れるぶっ飛んだ面白さはある。

時を戻せるダイアルがあるにも関わらず、歳を重ねた主人公の長寿のシリーズの実質最後でハリソン・フォードのラストインディ・ジョーンズというところのメタ的な部分にテーマ性があまり突っ込んでいかないあたりのもどかしさもある。トム・クルーズにおけるMi FalloutやTGM、スタローンにおけるロッキーやクリードなど、往年のアクションスターの現況を語るメタ的な境地へと辿り着ければ良かった。脚本が浅いのに長い。ラストシーンはファンサービス全開の悦だった。

あえてB級を面白くスペクタクルに作るということのシリーズの一見簡単そうでありながら難しい作品の裏側を見た。スピルバーグ御大ではないと難しい。というのも、アクション含む全体のらしい小気味よさや面白さが当然だけど無くて、やはりスピルバーグだからこそ成り立っていたタイトルでもあったということを感じさせてしまう。(僕は好きだが)クリスタルスカルのほうがそういった点でよく出来ている。

今回ハリソン・フォードは80代なのにすごい頑張ってたしアクションも見ごたえがあった。それほど本人も編集者も素晴らしい。ニーアムニーソンみたいなことになってなかったのは良かった。
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