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3月のライオン 前編のNEWおっさんのレビュー・感想・評価

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)
3.0
「原作よりもシリアス度アップ。」

羽海野チカ原作漫画を大友啓史監督で前後編の2部作で実写化。前編にあたる今回は、主人公桐山と永久名人宗田の邂逅まで。

原作を途中までしか読んでなくて、記憶も朧げだが、キャストは皆合ってる気がする。二階堂のデブ再現を染谷翔太が特殊メイクながらも頑張ってたり、3姉妹の健気でカワイイ感じとかも出ている(特に長女のあかりが倉科カナはこうきたかーって感じで良い意味で意外だった)し、おっさんプロ棋士連中もそれぞれ迫力ややさぐれ感もばっちりだ。棋士1人1人、短い出番の人でもこういう人なんだなって特徴を出すのが上手いから良い。

その中でも特に気性の激しい嫌味な義理の姉の幸子が良かった。有村架純が演じてるんだが、今までどこかほんわかしてた役しか見たコトなかった彼女の新たな一面を見て満足。彼女からは感じられなかったエロスもちゃんと出ていた。

不満を挙げるならトントン拍子に物語が進んで、キャラの掘り下げがちょっと浅いかな、と感じた。特に3姉妹の出番がどうにも少ないと思った。原作ではもっと多かった気がするが、後編の予告では次女のいじめ問題も描写されていたし、出番増えることを願う。おっさん棋士連中も予備知識なくポッと出てきて後で肉付けする手法を取っているので、関係を把握するまで多少混乱するかも。

あとはどうにもコメディ部分が少なく感じる。これは前述した3姉妹の出番が少ないのにも起因するよな。コメディというか癒しは3姉妹が大部分を引き受けていたワケだし、比較してシリアスな描写が多くなっているのが残念。

今も尚続いている原作をどう落とすのか、後編も楽しみ。