Yuma

3月のライオン 前編のYumaのレビュー・感想・評価

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)
1.9
得てして漫画や小説の実写映画化というのは辛口で評されがちですが、これもそういう、イチ原作ファンの妄言として書きます。映画楽しいと思った方は読まずにいて下さった方が宜しいかと思います。

以下、だめな理由を説明します。長文失礼。

まず、どうしょうもなくキャラに魅力がない
いきなり致命的です。役者陣はメチャメチャ役になりきろうと努力してるのかわかります。
なんですが、どういうわけかキャラに魅力がない。
個人的な印象ですが、3月のライオンに限らず羽海野さんの漫画の最大の魅力はキャラの魅力だと思っています。それは、羽海野さんがキャラ一人ひとりを、それこそどうしょうもなく好きなんだと思います。
しかしこの映画は製作者サイドからのキャラへの愛を殆ど感じません。

ちょっとだけ例を挙げます。
林田先生はただ職務中にずっと将棋動画見てるサボり教師にしかみえないし、後藤の余計な一言は彼のオトコを下げているだけ。
やっつけ仕事ですね。

原因の一つは、シーンシーンがとても演技っぽい。
演技っぽい演技と本物にしかみえない演技の違いは、色々あると思いますが1つ挙げるなら、非言語にあると思っています。
この、例えば間だったり、表情だったり、撮り方だったり、そういうところにあると思います。こういうのは演技力ではなく、例えば役者同士が撮影以外の時間を長く一緒に過ごしたり、そういうところから生まれたりしますが、おそらくそういうことはしていないのではないでしょうか。

つぎに、説明台詞が多すぎる。原作漫画ですら言葉で説明せず、絵と表情で十分に感動的に見せているシーンを動画と演技までできるのにわざわざ台詞で説明しているため、台無しです。

わかりやすいのが、ひなちゃんの川のシーン。本当は名場面なんだけど。

とか、桐山くんは先生に「殴られた」なんて愚痴る子じゃないと思います。
とか、そもそも、映画だけ見るとそういう信頼関係築けてるように見えない。

がっかりです。

さらに言えば将棋映画なのに殆ど盤面を映さないこと。単に表情vs表情になってます。
つまり顔の強い方が勝つ!

この作品の世界の魅力は、それぞれみんなが自分の世界で自分ができる範囲で必死に闘っているコトだと思います。

でも、作中では桐山の試合を、自分の仕事そっちのけで観戦したり、わかりやすく応援してれば感動的にでもなると思っているのでしょうか。

あと、桐山、大盤解説投げ出すな。これプロの世界の話でしかも大事なタイトル戦ですから。
などなど、誰も自分の世界を必死に頑張ってないので、誰も応援出来ないのが本当に残念です。

まだまだ書き足りないことはたくさんありますがキリがないのでこの辺で。

後編どうしようかな。挽回あるだろうか。
Yuma

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