前作さながらに、自分の好みには合いませんでした。
いや、一作の前半と後半で全く評価がかわります。
中盤まではセリフも演出もどれも芝居がかっていて、さらに台詞ではなく演技で説明して欲しいものを全部台詞で説明するだけでは飽き足らず、芝居の隙間をわざわざ独白まで入れ続けるので、作品を味わう隙を与えてくれません。
演技力の問題じゃなく演技演出と台本のせいです。個々の役者の演技力はキャスト見れば当たり前ですがほんとに素晴らしいです。
文字情報でしか伝えられない小説ならともかく、映画ですから背景、表情、音、伝えられる情報はたくさんあるのに。。
作品本来の魅力が全く伝わらずホントに残念です。
監督が一番映画の力を信じていない様に感じました。
ところが、原作からガラッと変わる終盤の脚本はわりと納得できるところもありますし、個人的にはこうやってどんどん闇落ちしていく作品は嫌いじゃありません。
というか前半も後半で同じ人が作ってるとは思えないくらい急にクオリティが変わったように思います。しっかり間のある演技構成、少なめのセリフや、ようやく将棋の試合で断片的にでも盤面を見せてくれたり、なかなか見応えがあったと思います。
前後編の総括として、前編と後編の中盤までははっきり駄作、後編の終盤はわりと楽しめる作品でした。
とにかく、ぜひ原作を見てください。漫画でもアニメでも、素晴らしい作品ですから。