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暗黒街のslowのレビュー・感想・評価

暗黒街(2015年製作の映画)
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欲望渦巻くイタリアの闇。
カジノ法案を議会に通すため、根回しに余念がない政治家フィリッポ・マルグラーディ。彼はマフィアのボスであるサムライと秘密裏に手を組み、このカジノ計画で巨万の富を得ようと目論んでいた。日々のストレスは娼婦と麻薬で発散。その晩も慣れた様子でホテルにチェックインし、2人の娼婦を呼んだマルグラーディ。麻薬を吸引しながら無心で快楽に溺れる一時。しかし、その日の一時は、男の運命をいつもと違う方向へと転がし始める。

物語自体は極シンプル。予期せぬ事態が負の連鎖を呼ぶ群像劇。しかし、それよりも何よりも、最近のイタリア映画の洗練された映像美ときたら。パオロ・ソレンティーノの光の使い方や風景もとても印象的だったけど、ステファノ・ソッリマのそれもなかなか素敵。役者も皆存在感があり、キャスティングの妙にも才能をうかがわせる。ドゥニ・ヴィルヌーヴの『ボーダーライン』の続編を引き継ぐ監督として抜擢されたらしいので、そちらにも期待。
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